メディアやデバイスが変わっても、探求するのは“ワンポイントのときめき”——小松純也/金山淳吾

「メディアとエンターテインメントの未来図」
<日時> 11月12日(木)15:30-16:30
<会場> オンライン配信

<登壇>
株式会社スチールヘッド 代表取締役
小松純也
一般財団法人 渋谷区観光協会 理事
SIW プロデューサー
金山淳吾

『チコちゃんに叱られる』のようなテレビ番組だけでなく、配信コンテンツも手がける小松さん。「テレビメディアとは一体なんだったのか?」という問いに対して、「テレビによって、みんなで目の前で起きていることを楽しめるようになった。最大のヒットの要因はバラバラだったものをみんなで楽しめるようになったこと」と語ります。

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その一方で「今はネットで色々なものを楽しめるようになり、好きなタイミングでパーソナルに楽しめる状況ができて、そこのときめきにみんなが沸いている」と現在の状況を分析。それを踏まえて小松さんは言います。
「今は以前とは逆の状況だが、もしかしたら今後、また“みんなで一緒に見るのが楽しい”という気持ちが戻ってくるかもしれない。テクノロジーが進んで伝送する技術は発展した。それによっていつでも誰でもコンテンツを配信できるようになった。でもこの先、視聴者はまた“タイムテーブル”を欲しがるようになるかもしれない」

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金山は衛星放送が開始した時期を例に挙げ、「最初は放送メディアが選択肢を用意し、視聴者に寄り添った」と言います。小松さんは「ネットも衛星放送も自分でコンテンツを見にいくということでは一緒。配信で無限にコンテンツが選べるようになったが、この先はコンテンツを選べることにしんどさを感じるようになるかもしれない。配信プラットフォームは“再放送であり、過去に作られたもの”と見れば、時間が止まっているとも言える。逆に今後のテレビは“今”を感じられるかどうかが大きなポイントになる」と語りました。

では、現在のテレビのエンタメとはどのようなものなのでしょうか? 小松さんは『チコちゃん』を例にとり説明します。

「チコちゃんはオーソドックスなテレビのエンタメ。基本的にはどんな人にも手が届く。ただ、古臭いことをしていたらいいというわけでもない。昔は中身がおもしろいことを目指してきたが、今は新しい視聴体験を提供するということに考えが変わってきた。笑う泣くが根本にあったが、今はそこから新しい体験になることを目指してテレビを作る。その感覚がないとテレビは生き残れない」
また、小松さんはこうも言います。「テレビでも配信でもやっていることはひとつ。新鮮な体験を色々なメディア、デバイスでしてもらうことを目指している」。

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また、近年エンタメは、どんどん演出過多になっていましたが、その流れも変わってきているようです。
「今は過剰演出よりも、本質的なものに人は惹かれる。ワンポイントのときめきを見つけて掘っていき、自分が感じたことを直感的に構築する。構築していく中でのプロセスでは自分の経験を元にすることで、共感を呼びやすくなる」というのが小松さんの考え。
そして“共感”とともに大切だと語るのは“ときめき”。「自分がギリギリ知っていることを説明するときには“フロー状態”ができていて、それが楽しさを生んでいるはず。ときめきの本質は“自分ごと”にできるギリギリの限界を超えるときの快感だと思う」と語りました。

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最後に2人は「メディアの未来図はどうなる?」というテーマでもトーク。「ライフスタイルやデバイスがどんどん変わる中で、メディアの役割はこれからどうなるのか?」という質問に対し、小松さんは答えました。
「色々なものがスマホに集約される時代では、今後メディアの概念があやふやになってくる。バラエティのジャンル分けの意味もなくなるはず。ただ、そうなればコンテンツを作る側にとっては出口がたくさんあるので良い世の中になる。でも、やることは人におもしろいと思ってもらえるものをつくることだけ。自分が新鮮だと思うことをやり続ける必要がある。そこを判断するのは理屈ではなく直感です」

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