ジャンダー/ジェネレーションを越えるため、文化に根付く見えないギャップを取り除く——大崎麻子/今田素子/五十嵐立青/島川敏明/酒向萌実

「Beyond Gender, Beyond Generation 多様性のある社会の作り方」
11月10日(火) 14:00-15:00
@SHIBUYA QWS

<登壇>
(特活)Gender Action Platform理事
UN Women/ILO/EU協調プロジェクト「WE EMPOWER」日本コーディネーター
大崎麻子
株式会社インフォバーングループ本社 代表取締役CEO・ファウンダー
今田素子
つくば市長
五十嵐立青
株式会社インフィニティベンチャーズサミット 代表取締役
島川敏明
株式会社GoodMorning 代表取締役社長
酒向萌実

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様々なバックグラウンドを持つ5人によるこのトークセッションでは、性別や世代間における価値観の違いを共有し、これから先どうすれば前向きに良い社会を作っていけるのか、心強い言葉を多く交えながらトークが展開されました。

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まず大崎さんが、現在の日本におけるジェンダーギャップの実情を説明。SDGsの目標のひとつとして「ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワメントを図る」ことが掲げられているなか、日本でもたとえば民間企業の役員比率において女性がどれくらい占めているかが重要視されるようになってきたりなどもしているものの、 2019年の「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」(世界経済フォーラム)では日本は調査対象国153カ国中121位に転落しているそう。これは他の国がものすごい速さで男女格差の解消を進めているからだと言います。「日本は特に経済、政治分野で遅れをとっていると言わざるを得ません」。

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「今までのビジネスカンファレンスは、身内ノリでおじさんの同窓会になりやすい。経営者のコミュニティの男女比はそもそもすごく偏りがち」そう語るのは、経営者や投資家が参加するカンファレンス『インフィニティベンチャーズサミット』を開催している島川さん。「カンファレンスを主催する側として社会的な責任を感じているので、ジェンダーやジェネレーションギャップについて発信していかなければならないと思っています」。

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また、酒向さんは「企業のリーダーに女性が少ないのは、(女性の働き方やキャリアアップの仕方の)ロールモデルになることにプレッシャーを感じてしまうから」と分析します。今田さんは「自分たちの世代では、何かを犠牲にしないとリーダーにはなれないように感じていた。そこまでしてしかリーダーになれないことに疑問を感じた」と続け、五十嵐さんは「政治の世界でも、日本の国会に女性議員は圧倒的に少なく、特に子育て中となるとさらに厳しい」と語りました。

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さらに五十嵐さんは、管理職に就く女性が少ない理由について「子育て、介護を女性が中心となって行なっているので、希望者が少ない」と言います。つくば市では男性職員に子育ての大変さと喜びを実感してもらうために「2週間以上の育休取得100%」を掲げるなど、新しい社会が求めていることの理解のための施策を行なっているそうです。

大崎さんは、ジャンダーギャップをなくすためには、女性に対する暴力を根絶すること、女性が担う無償ケア労働の責任を男女間や家庭と公共で再分配し直すこと、意思決定をするポジションに女性を登用すること、加えて、仕事の割り振りや、採用、昇進に無意識に働く“アンコンシャス・バイアス”に気付くことが必要だと説明。
酒向さんは「女性が妊娠した時には『無理しすぎずに』、一方男性は『家族のために頑張らないとね』とより仕事にエネルギーを割くよう声をかけられがち。女性は仕事より家庭を、男性は家庭のために仕事を、というバイアスから出る言葉であり、そういう細かい違いでエネルギーが削がれるので、逆に一言変えるだけで女性をエンパワーできる」と提言しました。

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続けて島川さんは「日本の文化に根付いているもののなかから、潜在的な違和感をどれだけ察知していけるかが大事で、管理職などに就く人が徹底して意識していくしかない」、今田さんは「ルールを作る側が多様性を理解していないと、多様性を重視したルールは作れない」と指摘。大崎さんは「日本は性別、年齢規範がものすごく強いと感じる。だからこそ、これからはジェンダーとジェネレーションを掛け合わせて未来を切り開いていくことがどの分野でも必要」と語りました。

『社会に世代間ギャップは間違いなく存在する中で、若くはない人が多数を占める日本社会が多様性を帯びていくために、各世代が納得できるにはどうしたらいいか?』というテーマでもトーク。五十嵐さんは、つくば市では史上最年少の26歳で毛塚副市長が就任したことを例に「成果が出たことで認められ、若さが“できないこと”の象徴から“可能性”の象徴に変わった。そういう環境を作っていくことも大事」、島川さんは「若者を信頼して権利をあたえてくれる大人がいることが重要」と、それぞれの経験から語りました。

ほかにもこのセッションでは、ジェンダーギャップやジェネレーションギャップの解消について語られていきます。
「格差をなくそうという大きな流れが出来てきている今、若手や女性はこれをチャンスだと思って積極的につかむべき」
「サポートしてくれるという声があるのなら、それを信頼してみるべき」
といった、必要な人にとってはとても力強い後押しとなるようなたくさんの言葉が交わされ、貴重なトークは幕を閉じました。

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