都市とEsportsの文化。コミュニティを巻き込み未来をつくる——Mike Sheetal/Christoffer Melin/Sven Rydell/長田新子

「都市とEsportsの未来」
<日時> 11月12日(木) 14:00-15:00
<会場> オンライン配信のみ

<登壇>
PlayBrain 代表取締役
Mike Sheetal
Dreamhack インターナショナル・エキスパンション・マネージャー
Christoffer Melin
JönköpingMunicipalityビジネスマネージャー
JönköpingMunicipality貿易産業責任者
Sven Rydell
モデレーター:
一般社団法人渋谷未来デザイン 理事
長田新子

このセッションではまず、世界最大級のe-sportsトーナメントやフェスティバルを主催する企業DreamHack社とヨンショーピング市の関係が語られました。DreamHackは、ここ25年で大きな発展を遂げ、現在はヨーロッパ、北米に進出。今後はアジア、南米などにも進出を企画していると言います。ヨンショーピング市では毎年夏と冬に、社と同名の大会『DreamHack』が開催されており、市内からも毎年多くの人が参加。また、配信プラットフォームだけでなく、地上波でも放送されることがあり、大会の知名度は上昇しているといいます。

02 都市とEsportsの文化。コミュニティを巻き込み未来をつくる——Mike Sheetal/Christoffer Melin/Sven Rydell/長田新子

一方、開催地であるヨンショーピング市は、自らを「City of DreamHack」と称し、DreamHack社とは長年にわたり協力関係にあります。そのため自治体として『DreamHack』の発展にも貢献するため、この地域で出会った多くの企業に対して「DreamHack社とどう連携することができるか?」を問うのだとスヴェンさんは言います。
DreamHack社と連携するために地元のeスポーツコミュニティと繋がりを作り、地元企業からの理解を得ることにも尽力しているヨンショーピング市。特に地元の大学には国内最大級のeスポーツチームが所属しており、彼らはDreamHack社と長年に渡り緊密に協力することで、イベントともに成長を続けています。

01 都市とEsportsの文化。コミュニティを巻き込み未来をつくる——Mike Sheetal/Christoffer Melin/Sven Rydell/長田新子

また、ヨンショーピング市が「City of DreamHack」となった経緯について、クリストファーさんは「『DreamHack』の開催地を選ぶ際、その価値を信じてくれたのがヨンショーピング市だった」と語ります。それ以降両者は協力して『DreamHack』を開催し続け、都市のブランディングを向上させてきました。

トークセッションでは一極集中による渋谷の街なかでの回遊性の低さの課題を挙げながら、『DreamHack』のようなイベントによって街での滞在時間や回遊性を伸ばす方法についてもトーク。「『DreamHack』が社会の様々な組織と交流することにより何を得られるか、都市の様々な場所にどういった影響があるかを考える必要がある」と語ったのはスヴェンさん。クリストファーさんも「同じように我々も教育機関で大会を行なったり、地元企業と関係を作ったり、ヨンショーピングという街をDreamHack色に染めることがお互いの目標と考えている」と語りました。

「地元企業に対して『DreamHack』の存在はどのようにプラスになっているか?」というテーマでは、「採用活動を行なっている企業や、新入生の募集をかけている学校、展覧会で展示を行なう団体などが、そのマーケティングやブランディングをフェスティバルで行なえるというのが一番のポイント。スウェーデンは小さい国なので、ローカルとは言え、全国レベルとして捉えて良い」とクリストファーさん。スヴェンさんも「『DreamHack』に興味のある企業を彼らに紹介し繋ぎこむことや、地元のネットワークの繋がりを深めることを市として手伝っている」と説明しました。

04 都市とEsportsの文化。コミュニティを巻き込み未来をつくる——Mike Sheetal/Christoffer Melin/Sven Rydell/長田新子

『DreamHack』に興味のある企業や地元のネットワークを、市がDreamHack社に紹介するなど、DreamHackとヨンショーピング市は様々なコミュニティを巻き込みながら共に未来の文化を作り上げています。果たして、そのような取り組みは渋谷でも実現可能なのでしょうか?

クリストファーさんはこう語ります。
「DreamHack社とヨンショーピング市は以前は協力し合おうとしなかったが、今はヨンショーピングの繋がりを利用してお互いの利益になるように協力している。そうすることで『DreamHack』をブラックボックスではなく、都市全体のフェスティバルへと進化させることができたと思う。こういった取り組みには双方からの投資が必要ですぐには成果は出ないが、時間をかけて一緒に作り上げることが重要になってくる」

03 都市とEsportsの文化。コミュニティを巻き込み未来をつくる——Mike Sheetal/Christoffer Melin/Sven Rydell/長田新子

一方、スヴェンさんは「好奇心を持って『DreamHack』がどういったイベントなのかということの理解を深める必要がある。街にどう繋げていくかを戦略として考え、イベントと共に成長を目指す。街としては、彼らのサポートをしつつ、それぞれの役割があることを尊重し、一緒に社会として動いていけることが最適な取り組み方だ」と語りました。

現在、ヨンショーピング市では、eスポーツの文脈についての理解が非常に進んでおり、eスポーツはこの都市の文化であり、社会の一部であると考えられています。二人が語ったことは、今後、渋谷とeスポーツがひとつの文化を形成し、コミュニティを巻き込みながら未来の街を作っていくためのヒントになるはずです。

05 都市とEsportsの文化。コミュニティを巻き込み未来をつくる——Mike Sheetal/Christoffer Melin/Sven Rydell/長田新子

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