市民参加型の政策のために。バルセロナと渋谷を繋ぎ「Decidem」を学ぶ——吉村有司/関治之/Arnau Monterde/他

「SHIBUYA スマートシチズンシップ -バルセロナ発の市民共創プラットフォームDecidemを渋谷に-」
2020年11月9日(月)
@SHIBUYA QWS

<登壇>
東京大学 先端科学技術研究センター 特任准教授 吉村有司
Code for Japan代表、神戸市 チーフ・イノベーション・オフィサー 関 治之
バルセロナ市 デモクラシーイノベーション担当ディレクター Arnau Monterde
バルセロナ市情報局 ソーシャル・ナレッジ・オフィス ディレクター Jordi Cirera
一般社団法人渋谷未来デザインプロジェクトデザイナー 後藤太一
マサチューセッツ工科大学 Media Lab City Science Group 研究員 山﨑菜々子
マサチューセッツ工科大学 Media Lab City Science Group 研究員 酒井康史
加古川市企画部情報政策課 副課長 多田 功

SAI8783 市民参加型の政策のために。バルセロナと渋谷を繋ぎ「Decidem」を学ぶ——吉村有司/関治之/Arnau Monterde/他

スマートシティで最先端を走るバルセロナ。そこで生まれたボトムアップ型のスマートシティモデルを推進するツール Decidemが、東京大学先端科学技術研究センター特任准教授の吉村有司さん、Code for Japan代表の関治之さんの手で日本語化されました。
このセッションでは、Decidemの実践者であるバルセロナ市議会 民主的イノベーション担当ディレクターのArnau Monterdeさんと共に、日本での導入についての公開勉強会を行なっていきます。

SAI8809 市民参加型の政策のために。バルセロナと渋谷を繋ぎ「Decidem」を学ぶ——吉村有司/関治之/Arnau Monterde/他

まず3つのプレゼンテーションから。1つめはArnauさんによるDecidemの説明です。Decidemとは、民主主義の参加型プラットフォームであり、政府と人々が協力して街のシステムを作り上げることができるツールです。Decidemでは、政策の意思決定から議論、ノウハウを持ったユーザーと出会うことまでできます。

バルセロナでは、約4万1千人ものユーザーが利用しており、多くの案件が政府で受理、実行された実績があります。実際にバルセロナで実行された提案についてもお話いただきました。
たとえばトーマスさんという方の提案は、屋上に庭園を作り、街の緑地を増やそうというものでした。この提案は結果的に様々な人からの支持を受け、プロジェクトが実現。市役所は緑地デザインのコンテストを行い、計10個の団体が屋上に庭園を作ることに成功しました。

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Decidemでは、進捗状況のフォローアップができたり、議論を行うために実際に集ってMTGを行なう準備ができたりと様々なツールが付随しています。質問や投票、署名集めなども行なうことができ、SNSのように利用することが可能です。

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そんななか、今年10月には兵庫県加古川市が日本で最初にDecidemを導入しました。まだ始動したばかりの現在、120名のユーザーがいるといいます。

他にも、親子の移動とくらしにやさしいまちづくりを目指す、渋谷のママチャリプロジェクトに関してもプレゼンテーションが行われました。電動自転車の利用者が街を移動するなかでGPS情報や環境センサーなどによって集められた情報がまちづくりに役立てられる仕組みです。

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議論の中で、関さんは「スマートシティは市民中心に作らなくてはならない。政府だけで施策を作るのではなく、市民に参加してもらってどういう街にしたいかを考えてもらう必要がある」と根本的な問題について切り込みます。

SAI8960 市民参加型の政策のために。バルセロナと渋谷を繋ぎ「Decidem」を学ぶ——吉村有司/関治之/Arnau Monterde/他

渋谷はどう取り組んでいくかという問いに対しては、「コロナ禍でできることが限られている中で、Decidemは市民のみなさんから声が自然に集まってくるのが良い。市民から意見を出す風土づくりは難しいけれど、経験を重ねながら市民と一緒に勉強していきたい」とマサチューセッツ工科大学の研究員である山崎さん。
また、吉村さんは「日本人は意見を言われると、否定されていると思ったり、皮肉として受け取ったりすることがあるので意見交換が苦手。でもDecidemにはそれを乗り越えていける可能性がある」と言います。

SAI8926 市民参加型の政策のために。バルセロナと渋谷を繋ぎ「Decidem」を学ぶ——吉村有司/関治之/Arnau Monterde/他

実は、渋谷でもDecidemの導入が既に決まっているのだとか。バルセロナとのリモート通話も合わせ、計9名でのディスカッションは非常に熱のあるものとなりました。

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