「創造性の民主化」の時代。ワクワクドキドキをどう創り出せるか——中島さち子/北村久美子

「音楽×数学×自然~境界をこえた掛け算創造の時代」
11月13日(金)15:30-16:30
@SHIBUYA QWS

<登壇>
ジャズピアニスト、数学研究者
中島さち子
株式会社 AOI Pro. 情報開発プロジェクトリーダー
SIW カンファレンス プログラムディレクター
北村久美子

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中島さち子さんは、ジャスピアニストで数学研究者。実は高校生の時に、国際数学オリンピックでチャンピオンにもなられています。近年は、STEAM教育者としても活動。このSTEAMとは、SCIENCE(科学)、TECHNOLOGY(技術)、ART(芸術、リベラルアーツ)、ENGINEERING(工学)、MATHEMATICS(数学)の頭文字5つを合わせたもの。それらの分野を横断し、“掛け算”していく創造的な学びが、STEAM教育だと言います。

このセッションでは、SIW カンファレンス プログラム ディレクターでもある北村が聞き手となって、中島さんが実際に活動されていることの紹介、途中、中島さんの実演を加えながら、「創造性の民主化」と呼ばれる時代に大切なことについて、考えを深める場になりました。

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ひとつユニークだったのは、中島さんの命に対する思想観。人や動物、植物そしてAIにも、「万物に命がある」と中島さんは言います。
また、こうした、いわば日本古来的な自然観は、中島さんの最近の活動――テクノロジーやエンジニアリング、数学的なアプローチを駆使した音楽ツールやメディアの制作、それを使ったワークショップ活動――にも反映されています。たとえば、目の前にあるスライムを伸ばしたり、形を変えたりすると音がなる、感覚的な楽器。スライムが生命をもっているような感覚をもたらしてくれると同時に、楽器のスキルがなくても五感を使って演奏ができます。つまり“音楽はスキルが必要”、“楽譜通りに演奏しなければいけない”といった固定概念や定義を再転換し、誰もが自由に音楽を楽しみ、またワクワクやドキドキを得ることができるのです。

SAI1684 「創造性の民主化」の時代。ワクワクドキドキをどう創り出せるか——中島さち子/北村久美子

また、数学についてこんなことを話されていたのも印象的でした。
「19世紀までの数学は、主に、微分のように、曲線であっても究極に拡大して見ると直線になるような、シンプルなものにいずれ帰着できるものを考えていた。でも、20世紀になって“永遠に複雑”な病的な曲線も扱うようになった。」。つまり、「ロジックではたどり着けない。飛躍が必要。しかし感覚だけでは、先入観の嵐で行き詰まる」と。そして、「自分の心が動かされるものは何か」を見つけることが大切であり、そのワクワクやドキドキが、また新しい創造性の扉を開くとも話しました。

SAI1737 「創造性の民主化」の時代。ワクワクドキドキをどう創り出せるか——中島さち子/北村久美子

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