クリエイターエコノミーシフト

渋谷アイデア会議

「クリエイターエコノミーシフト」
11月8日(火) 15:10-15:50
<登壇>
里村 明洋(アドビ株式会社 常務執行役員 兼 CMO)
山口 征浩(株式会社Psychic VR Lab 代表取締役CEO)
中馬 和彦(KDDI株式会社 事業創造本部 副本部長 兼 Web3事業推進室長 兼 LX戦略部長)

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日本のクリエイターが少ないのはなぜ?

「1億総クリエイター時代」と言われている現在、クリエイターエコノミーはどのような現状で、今後どうなっていくのでしょうか。Photoshopやillustratorなど、クリエイター向けのサービスを展開するアドビ株式会社 常務執行役員 兼 CMO・里村 明洋さんとXRを中心にテクノロジーを開発する株式会社Psychic VR Lab 代表取締役CEOの山口 征浩さんをお招きし、「クリエイターエコノミーシフト」についてのセッションを繰り広げました。

里村さんはアドビ社が独自で調査したデータをもとに、クリエイターエコノミーの実態を話します。

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「8月末にクリエイターの人数が多い9カ国でスタディを実施しました。クリエイターの定義は、“クリエイティブに興味があり、1ヶ月に1回以上デジタル上にポストした方”です。このスタディによると、3億人います。しかし、各国に分けると日本の割合が一番少ない。逆に韓国とブラジルが多いという結果です。コロナになる3年前の結果は、1億6500万人。コロナで2倍に膨れ上がっています。大きな伸びはブラジル・スペイン・韓国。日本も伸びているが、割合が少ない。なぜでしょうか」

里村さんは、「自分の住んでいる国がクリエイティブな場所だと思う人」を縦軸に、「陽気・ポジティブなムードでいられる人」を横軸にしたグラフをもとにこう語ります。

「ラテン系の国がクリエイティブな人が多いという相関があります。また、デジタル上にクリエイティブをポストされている数も、クリエイターの数とも相関があります。しかし、日本は自分の住んでいる場所がクリエイティブだと思っていないし、ポジティブでもありません」

また、里村さんはクリエイティブには「表現」と「ビジネス」の2種類があると話します。

「韓国も日本と同じ傾向がありますが、クリエイターが増えている一つの要因として、ビジネスでクリエイティブを作りたいという方が一番多い。K-POPでもわかる通り、韓国はエンタメが強い。ブラジルの例とともに考えた際に、自分の表現としてのクリエイティブを作るというエリアと、ビジネスとしてクリエイティブを考えるエリアがあると言えます。クリエイターエコノミーを考える際はこのふたつを分けたほうが良いのではないでしょうか」

それでは日本はどのような方向性でクリエイターエコノミーを推進すれば良いのでしょうか。里村さんはこう語ります。

「日本はクリエイティブに対する時給が9カ国で一番低い。結局クリエイターへの価値が認められていないと言えるため、価値向上が必須です」

KKA00021 クリエイターエコノミーシフト

このデータに対して、「日本人は自己主張が足りていないのではないでしょうか。日本人は、例えば写真を撮ってもそれをクリエイティブだと主張することは少ないと思います」と山口さんは補足しました。

クリエイターの数が伸びている要因はどこにあるのでしょうか。山口さんによると、「国の支援」が要因の一つであると言います。

「韓国は国内のコンテンツを海外に出すとき、財務や法務など国がバックアップに力を入れています。対して日本は中途半端にマーケットがあるゆえに、まだまだ足りていません」

「韓国は10年以上前からファイナンスとクリエイターがペアになって売り込む体制を作っていますが、日本はクリエイターが神、マネージャーは裏方になっているという日本のクリエイター神話がメンタリティーに影響しているのではないか」との中馬さんの指摘に里村さんは同意します。

「日本では、美大に行き、修行した後に上手くいって初めて独立できてようやくクリエイターになる。1人で何かをするためにはプロになってからです。対して欧米はフリーランスが多いんです。日本人はクリエイターになる自信が持てない、どこかに頼っているのは、新卒就活と似ている文化があるのではないかと思います。この2年間で表現する場、例えばインスタグラムへの投稿でビジネスとつながっている人が増えていますが、日本は遅かったです」

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クリエイターエコノミーのトレンドと未来

続いて、副業やWeb3.0などクリエイターエコノミーシフトを加速するライフスタイルやトレンドについてテーマが移りました。里村さんは企業のインハウスクリエイターが広がっていると語ります。

「日本でもクリエイターの副業は増えていますが、思ったほどではありません。バナーの制作や、動画編集の仕事は難しいからだと言えます。したがって、リスキリング・スキルを磨くところから始める必要があるでしょう。対して大企業などの法人が内製でクリエイティブを作るのが進んでいるとも言えます。マーケターがティックトックなどのSNSに動画を上げるなど、日本の新しいクリエイターエコノミーのあり方があるのではないかという気がしています」

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クリエイターエコノミーが進んだ先には、都市・街はどのように変化していくのでしょうか。山口さんは将来をこう予測しました。

「街づくりや建築など、今まで何十年もかけたり、ライセンスが必要だったりしたものを個人が作れるようになったのではないかと思います。XRを使ってリアルなメタバースを通して、今まで一部の人しか作れなかったものを街レベルで作れたりする。それができると、プロではない方の発想が良い形で発現し、リアルに還元されたときにおもしろい街ができれば良いなと思っています」

新しいカルチャー・クリエイティブはいつの時代も若者から生まれます。里村さんは「渋谷は若い方々が多い街として、積極的にカルチャーやクリエイティブを発信してほしい」と締めました。

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