適正飲酒 x 適正塩分で実現するウェルビーイングな社会とは?
「スマートドリンキング× LOW SALT CLUB〜適正飲酒とおいしい減塩で楽しむ新しいウェルビーイング〜」
11月10日(木) 16:35-17:05
<登壇>
元田済(スマドリ株式会社 取締役CMO)
ジョーさん。(料理研究家 / 味の素社「LOW SALT CLUB~うま味DE減塩部」部長)
二宮くみ子(うま味と食のコンサルタント)
人生をおいしさあふれるものにするためには、アルコールも塩分も欠かせません。しかし、それらは適正量を意識することが大切です。「スマートドリンキング× LOW SALT CLUB〜適正飲酒とおいしい減塩で楽しむ新しいウェルビーイング〜」では、スマドリの元田済さん、LOW SALT CLUB~うま味DE減塩部で部長を務める料理研究家のジョーさん。さん、うま味と食のコンサルタントの二宮くみ子さんが登壇。「うま味を活かした、塩分&アルコールひかえめの新しいおいしさ」とこれからの私たちのウェルビーイングについて、意見交換を行いました。
現在、世界中でノンアルコール市場が急成長しており、ビジネスとしても非常にポテンシャルがある市場になっています。しかし、それと同時に不適切な飲酒もまた世界的な社会課題になっていると言います。
このような背景を挙げながら、元田さんは現在、アサヒビールグループのスマドリ株式会社として取り組んでいるスマートドリンキングについて、「それを撲滅していくことがSDGsの3番目の目標にも該当する。これを推進していくところでスマートドリンキングを開始した。この活動では、ウェルビーイング、アンコンシャスバイアス、ダイバーシティの3つの実現を目指して活動している」と説明しました。
次に、うま味調味料「味の素®」を使ったおいしい減塩を推進する「LOW SALT CLUB」のミッションについて、ジョーさん。さんは「例えば、現在20歳の人が今後の人生で楽しむ食事の回数をカウントしていくと大体7万回になる。その7万回分の料理がおいしく健康的なものであるようにしていきたい。その一つとして減塩をおいしいものにして、減塩をすること自体をもっと魅力的なものにしていこう、というのが我々のミッション」と説明しました。
その中で課題になるのが日本人の塩分摂取量。現在、日本人の約80%が塩分を過剰摂取しているそう。。その解決に取り組むLOW SALT CLUBの活動について、ジョーさん。さんは、「LOW SALT CLUBでは、味の素社と協力して、塩味に頼らない”新しいおいしさ”の発見を目指している。そのための活動として、減塩というイメージが持つ、“おいしくない”、“めんどくさい”というイメージを払拭するために、減塩すること自体が、おいしくて楽しいと思えるような新しいレシピを部員一同で発信している」と述べました。
そんなジョーさん。さんによると、「減塩もSDGs」とのこと。「地球環境と同じように、私たち人間もより良い人生を続けていくためには、おいしさの考え方を更新したり見方を変えたりしなければならない」と語ります。
日本人の死因の50%はがんや生活習慣病の慢性疾患ですが、その大きな要因の一つに塩分の過剰摂取があります。「でも、塩味自体は止められない。塩気があるとおいしいと思ってしまい、ついつい摂りすぎてしまう。」と、ジョーさん。
地球規模で人々の健康寿命(※)の延伸を推奨するWHO(世界保健機構)では、1日に摂取する食塩相当量の推奨値を5g未満としています。しかし、日本では、他国よりもそもそも塩分の高い料理が多いと言われています。そのため、厚生労働省は、1日に目標とする食塩摂取量を成人男性では7.5g未満、成人女性は6.5g未満として、まずは段階を踏んだ減塩を進めていますが、実は約8割の日本人が毎日約10gの塩分を摂取しているのが現状だそうです。
(※)健康寿命:健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことをいう。2022年版「高齢社会白書」(内閣府)によれば、男性の健康寿命は72.68年、女性は75.38年。(https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/zenbun/04pdf_index.html)
そのような現状を踏まえて、ジョーさん。さんは、目標を達成するために必要なものが「うま味」だと語ります。
「10gから5g未満を目指すときに、うま味を上手に取り入れていくことで、塩分を(必要以上に)摂らなくても満足のいくおいしい食事ができる。そのことを伝えていくのが自分たちの取り組み」
スマートドリンキングとLOW SALT CLUBのコラボレーションについて、元田さんは、「自分たちが取り組む”適正飲酒”と、ジョーさん。さんたちが取り組む”適正塩分”を目指す活動は、SDGsの3番目の目標『すべての人に健康と福祉を』という社会課題を解決する上でも、ウェルビーイングにつながるので相性が良い」と語ります。今後はこのコラボレーションを通じて、スマドリが運営するスマドリバーでも、うま味を活かして塩分を抑えた新しいメニューを両者で開発していくと言います。ジョーさん。さんも元田さんの言葉を受けて、「もうすでに構想があるのでどんどん提案していきたい」と意欲を見せました。
またトークセッションでは、コロナ禍で増えた宅飲み時におすすめのノンアルコールドリンクとそれに最適な「おいしい減塩」レシピについてもアイデアを交換。元田さんがノンアルコールビールとジンジャエールで作るさっぱりとした味のシャンディーガフを提案すると、ジョーさん。さんは、LOW SALT CLUBメンバーが考案した鶏むね肉のネギ塩レモンだれを提案。
「お肉自体にイノシン酸といううま味成分があるので、『味の素®』のグルタミン酸と合わせると『うま味の相乗効果』が得られ、ますますおいしいたれになっていく。それとシャンディーガフに使っている生姜の香りとネギ塩レモンだれの香味の相性も抜群だと思う。」
このようにスマドリが取り組む“適正飲酒”とLOW SALT CLUBが取り組む“適正塩分”の両方の知識を広めながら、アルコールに対しても、塩分に対しても適正量を意識した飲食文化が広がっていくことで、わたしたちの生活がよりウェルビーイングなものになっていくことでしょう。