「無駄づくり」と「途中でやめる」。自分だけの道を選んで食べていく方法〜 Part 1「仕事や働き方について」
自分だけの道を選ぶために別の視点で物事を考えてみる。
フリーランスが自分軸を大切にしながら働き、稼ぐには?
11.6 (月) 18:40 – 19:10
「無駄づくり」と「途中でやめる」。自分だけの道を選んで食べていく方法 Part 1「仕事や働き方について」
<登壇>
中川杏珠 freee株式会社
山下陽光 「途中でやめる」主宰
『「無駄づくり」と「途中でやめる」。自分だけの道を選んで食べていく方法 Part 1「仕事や働き方について」』では、freee株式会社の中川杏珠さんと「途中でやめる」の山下陽光さんが登壇。仕事を続けていく上でのモチベーションの保ち方や、自分の軸を大切にすることとお金を稼いで生きていくことのバランスの取り方などについて意見が交わされました。
リサイクル店で仕入れた古着をリメイクし、リーズナブルな価格で販売するファッションブランド「途中でやめる」を運営している山下さん。「途中でやめる」では、Tシャツは2000円から、ワンピースは6800円という安さで販売することもあるといいます。
現在のファッション業界では、ファストファッションブランドのように安く洋服が販売されるケースがあるため、洋服自体を安く販売すること自体は特別に変わったことはないと山下さんはいいます。しかし、個人で作られる洋服に対しては、安さはあまり求められていないのが現状です。それを踏まえて、山下さんはこう語ります。
「洋服の場合、工業製品よりも個人が作った方がどうしても高くなってしまうという考えがある。でも、日本は景気もよくないし、安い方が助かる人も多いはず。本来であれば、いかに安く販売するか、その方法を考えるのがクリエイティブなことだと思う。みんな買うときは安いほうがいいと言うのに売るときはそう言わない。だから、自分がやっていることは業界の中では空席だったと思う。1万円のTシャツが1回売れるよりも2000円のTシャツが5枚売れるスピードの方が早かったりする。飲食業界だと利益率は低いが、1日に多くの人を相手にして利益を出す業態があるが、それのファッション版はあまりない。そういう意味では自分は本当にファッションの立ち飲み屋をやってる感じ」
このようにして、他にはないアイデアで商売を続けてきた山下さんですが、これまでの20年の活動の中でやめようと思ったことはあるのか?という質問に対しては、「商品が売れるようになるまでの10年間は単なる意地で続けてきた」と語ります。
しかし、あるときに渋谷のパルコで洋服を取り扱ってもらえることになり、商売が好転。さらに震災を機に、個人間のネット販売が拡大したほか、コロナ禍でネット販売が伸びることになったといいます。このことについて、山下さんは次のように述べます。
「昔はテレビや雑誌で取り扱われることがいいと思っていたが、そういうふうに信じていたものがどんどん変わっていくことを実感した。こだわっていることはいっぱいあるが、変わっていかないと続けていけないと思った」
山下さん曰く、現代のように情報過多の社会の中では、自分の得意分野の商品をネット販売するのも稼ぎ方のヒントのひとつとのことです。
また、お金の稼ぎ方について、山下さんは「お金の稼ぎ方は意外に誰も教えてくれない」と発言。その上でお金にこだわりすぎず、自分ができることだけをやるといいという考えを示しつつ、過去に稼げたかもしれないビジネスチャンスを検証することで、新しいアイデアが生まれる可能性があると述べました。
自分のアイデアで稼ぐためには最初の一歩を自分で踏み出すことが大切になります。その上で、山下さんは経理業務など、自分が苦手なことは無理にがんばらず、任せられるところは他人に任せて得意なことにフォーカスする方がビジネスを軌道に乗せやすいという考えを示しました。
世の中にはさまざまな仕事や働き方があります。しかし、多くの人は固定観念でそれらの可能性を制限しがちです。しかし、山下さんが言うように別の視点から物事を見てみることでこれまで思いつくことがなかった新たな仕事や働き方のアイデアを得ることができるのではないでしょうか? そんなことを強く実感したセッションでした。