<日付>11.10 WED
<時間>16:00-17:00
<場所>TSUTAYA BOOKSTORE 渋谷スクランブルスクエア シェアラウンジ
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バルセロナは1980年代に公共空間政策や優れた都市デザインの文脈で注目を集め、世界中の都市がその戦略をモデルとして実装してきました。それから約40年後の現在、大規模な歩行者空間化(スーパーブロック)やオープンデータ戦略、DECIDIMなどを通して、バルセロナはもう一度別のかたちでの「バルセロナモデル」を打ち立てようとしています。
このセッションでは1980年代からバルセロナに滞在し、ヨーロッパにおける公共空間を通して都市を見つめ続けてきた岡部明子氏と、バルセロナが大規模にデジタルテクノロジーをまちづくりに活用し始めた2000年代から滞在し始めた吉村有司氏との対談を通して、都市における公共空間の可能性を探ります。
岡部明子
東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授
東京生まれ。1985年、東京大学工学部建築学科卒業後、1987年まで磯崎新アトリエ(バルセロナ)に勤務。その後、日本に戻り1989年、東京大学大学院建築学専攻修士課程を修了し、再びバルセロナへ、建築などのデザインを手がける。1996年より東京。2004年より千葉大学助教授などを経て、2015年より現職。著書に、『住まいから問うシェアの未来』(編著、学芸出版社、2021)『高密度化するメガシティ』(編著、東京大学出版会、2017)、『バルセロナ』(中公新書、2010)、『サステイナブルシティ-EUの地域・環境戦略』(学芸出版社、2003)、『ユーロアーキテクツ』(学芸出版社、1998)、ほか。
吉村有司
東京大学先端科学技術研究センター特任准教授
愛知県生まれ、建築家。2001年より渡西。ポンペウ・ファブラ大学情報通信工学部博士課程修了(Ph.D. in Computer Science)。バルセロナ都市生態学庁、マサチューセッツ工科大学研究員などを経て2019年より現職。ルーヴル美術館アドバイザー、バルセロナ市役所情報局アドバイザー。主なプロジェクトに、バルセロナ市グラシア地区歩行者計画、クレジットカード情報を用いた歩行者回遊分析手法の開発や、機械の眼から見た建築デザインの分類手法の提案など、ビックデータやAIを用いた建築・まちづくりの分野に従事。
<参考文献>
『a+u 2021年9月号特集:アーバン・サイエンスと新しいデザイン・ツール』新建築社
岡部明子(2010)『バルセロナ 地中海都市の歴史と文化』中公新書
岡部明子(2005)「都市再生「バルセロナ•モデル」の検証」
福川祐一他編著『持続可能な都市−欧米の試みから何を学ぶか−』pp.121-178 岩波書店
岡部明子(2003)「公共空間を人間の手に取り戻す」
宇沢弘文他編『都市のルネッサンスを求めて:社会的共通資本としての都市1』pp.26-27 東京大学出版