未来社会を生き抜く親子学習のススメ

<登壇>
田中宏 株式会社 加藤忠 代表取締役社長
兵頭裕美 株式会社 加藤忠 執行役員
吉柳さおり 株式会社ベクトル 取締役副社長 / 株式会社プラチナム 代表取締役
金山淳吾 一般財団法人渋谷区観光協会 代表理事
 

「家族から子供へのランドセルの贈呈」から考える、未来社会を豊かに生き抜く“親子共育”のあり方

 
『未来社会を生き抜く親子学習のススメ』では、加藤忠の田中宏さんと兵頭裕美さん、ベクトルの吉柳さおりさん、SIW エグゼクティブプロデューサーの金山が登壇。日本の慣習となっている「家族から子供へのランドセルの贈呈」から、これからの未来社会を豊かに生き抜く親子共育の在り方について意見を交わしました。

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この慣習について、兵頭さんはその歴史を振り返り、不思議な産物でありながらも海外から見れば平和の象徴になっているのだといいます。海外の人からは、子供であることをわかりやすく象徴するランドセルを背負って子供がひとりで街を歩ける日本の状況は、街の治安の良さを表しているように見えるのだそう。

しかし、多様性が叫ばれる現代社会において、みんなが同じように背負う画一的なランドセルは時代に適したものなのか?という疑問もあります。そのような意見に対し、兵頭さんは次のように自分の考えを示します。

「せっかく世界から平和の象徴ですよねと言われるまでに浸透してきたものが、時代に合っていないと言われるのは一つの悩みではある。この文化がなくならないうちに、ランドセルがもっとダイバーシティを感じられるものに変化していけるといい」

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そんななか、親の視点に立ったときランドセル選びをはじめ学校教育に関わる多くのことを、自分ゴト化していくことが大事だというのが金山の考え。子供たちの学びを自分ゴト化することで、一緒に成長していける“共育”になる、という意見を共有しました。

時代に合わせた意識の変化は、加藤忠のビジネスモデルにも現れはじめています。加藤忠では、ランドセルというモノを作って販売する事業から、モノ自体に意味をこめて販売していく事業へのシフトが求められていると考えています。

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田中さんは「これまでは子供がランドセルをプレゼントされ、箱を開けた時の喜びのモーメントに特にフォーカスしてきたが、これからはその後の6年間を親子が一緒にどう学び成長していくかを考えることが事業の鍵になるはず」と述べました。

それを踏まえて吉柳さんは、今後のビジネスモデルのシフトについてこう続けます。
「家族が6年間付き合っていくところをコミュニティ化していくと、企業としてモノを起点にしながらコトに関わっていくことができる」

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ランドセルのように伝統的な慣習になっているものでも、外側からの意見や時代性を柔軟に取り込むことで、そこに新しい体験価値を生み出していくことができる。そんなヒントを得ることができたセッションでした。

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