歩行と健康の深い関係。歩き方が変われば健康が変わる！
通勤、通学は当たり前だったコロナ禍以前と比較すると、歩く距離、時間は減っているのではないでしょうか？ 健康のために歩くという考え方は以前からありましたが、研究が進んだ現在では歩行速度や歩き方から体のさまざまな異常を検知できるようになりました。

「“歩く”を応援！ホコタッチ～花王の歩行研究から～」
11月10日（木）12:05-12:35 @渋谷ストリームホール5F
＜登壇＞
守谷祐子（花王株式会社 GENKIプロジェクト リーダー）
須藤元喜（花王株式会社 パーソナルヘルスケア研究所健康ソリューション）

花王グループによる「みんなのGENKIプロジェクト」では、健康づくりのために社内外にさまざまなサービスや情報提供を行っています。生活習慣を見直し内臓脂肪を減らすプロジェクトやスマート和食などのアプローチに加え、歩行と健康にも注目した「ホコタッチ」が本セッションのメインテーマとなります。

「ホコタッチ」は花王が独自の研究技術により制作した加速度センサーを内蔵した歩行計で、「ホコタッチ」に蓄積されたデータを印刷する「ホコタッチスポット」と組み合わせた健康支援サービスとなっています。スマートフォンなどに内蔵されている歩行計と「ホコタッチ」の違いを須藤さんは「通常の歩行計では信号で止まったりすると正確な歩行速度が計測できない」と語り、つづけて「ホコタッチ」と歩行と健康の関係を詳しく解説します。

「『ホコタッチ』では、最大加速度変化と歩行ピッチから推定歩行速度を算出でき、消費カロリーも可視化できます。現在では歩行と健康が深く関わっていることがわかってきており、腰痛や膝痛、脳の活性化の様子まで歩行から読み取れます。そして、歩行速度が健康寿命を決める大きな要因になることもわかっています」（須藤さん）

そもそも花王が歩行の研究を始めたきっかけは、赤ちゃんのおむつにありました。おむつを着けた赤ちゃんがそのとき喜んでいるのか、そうでないのかがわからないので、歩行が快適かどうかを調べたのがきっかけとなり、同時にロコモティブシンドロームやフレイル、認知症などと歩行の関係も進めてきたのだそう。

「膝が悪いと歩行の姿勢がゆがむので歩行速度が変化します。またダブルタスク、つまり歩きながら別の行動をするといった運動は脳の活性化に影響します。脳の活動が鈍ってくると、ダブルタスクができない、歩行速度が落ちるなどの関係性もわかっていて、日常歩行速度が時速3.8km以下になると2年後の要介護リスクが3倍になるというデータもあります」（須藤さん）

歩くことは全身のメンテナンスである、と伝える須藤さん。ただ歩くだけでは人間は無意識に楽な方法を選択してしまうので、歩幅を広げる、ピッチを速くするなど負荷を与えることで健康を維持できる期待は高まっていくと、須藤さんは説明します。

最後は実際に「ホコタッチ」を利用した2人の方からの感想と質疑応答がありました。共通して述べられたのは、データがランキングとともに出されるので運動する動機、継続する動機となることです。

歩くことで得られる健康のメリットを理解しても、継続するには楽しさが必要です。その点でも「ホコタッチ」の有効性が示された結果となりました。普段ウォーキングを習慣にされている方、健康に不安がある方は「ホコタッチ」に要注目です。