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web3でつなぐ渋谷とグローバル

<登壇>
NORI 一般社団法人渋谷未来デザイン プロデューサー
舘林俊平 KDDI株式会社 事業創造本部 Web3推進部 部長
NIINOMI NEORT株式会社 代表取締役
齋善晴 PARDEY株式会社 CEO
mae ピクセルアーティスト

 

事業者やギャラリスト、作家の取り組みから考えるWeb3の可能性

 

NFTやWeb3が盛り上がりはじめて3年ほど。その領域では今、どのような取り組みが行われているのか。このセッションでは、一般社団法人未来デザインのプロデューサーNORIさんをMCに、事業者、ギャラリスト、アーティスト、4名のスペシャリストが、それぞれ展開しているプロジェクトや活動を紹介を中心に、その可能性について意見を交わしました。

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スピーカーのひとり、KDDI株式会社 Web3推進部部長の舘林俊平さんは「バーチャル渋谷」などにも携わってきた人物。本セッションでは、今年の3月に始動したメタバース・Web3サービス群「αU(アルファユー)」についても説明。「この「αU」のコンセプトワードは「もう、ひとつの世界。」。最近の若い子は、リアルで会っている友達も、ネットで知り合った友達も区別していない。そういうリアリティを言語化した」。実際には、ショッピングができたり、音楽配信ができたり、友達とカラオケなどコミュニケーションができる複数のメタバースと、そこで使えるNFTのマーケット、NFTを格納できるウォレットなどを提供しており、「昔は企業がコンテンツを提供してきたが、今の時代、生成AIもできて、誰でも一般の人が何かを作り、発信できるようになっている。それを支えるカルチャーとしてWeb3があると思っている」

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PARDEY株式会社CEO齋善晴さんは、もともとは、障がい者にITスキルや専門スキルの学びの場を提供し、就職支援をサポートする事業を展開してきました。「そのなかでWeb3に出会い、そこにある技術や考え方が、自分らしく生きられる世界を作れると確信して、Web3総合広告代理店PARDEYを立ち上げた」と話します。PARDEYでは、ブロックチェーンやNFT、XRを活用したWeb3領域でのマーケティングやプロモーションを展開。渋谷スクランブル交差点の大型モニタを使ったNFTの展示、ARによるNFTの展示、またメタバースとメタバースの連動型クラブイベント「Meta Cross」を開催しています。

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NEORT 株式会社のNIINOMIさんは、デジタルアートを事業領域に、その可能性を広げる活動を展開。デジタルアートのオンラインプラットフォーム「NEORT」の開発・運営、また昨年4月に日本橋馬喰町に、デジタルアートを実空間で鑑賞するためのリアルのギャラリー「NEORT ++」もオープンさせています。デジタルアートのグローバルな事例として、この5月に東京で開かれたグローバルコミュニティイベント「Bright Moments」の事例に触れながら、実際に「NEORT ++」を会場のひとつとして開かれた、「Bright Moments」と「Art Blocks」(ジェネラティブアートの発行と販売を行うNFTプラットフォーム)のコラボレーションによるアーティストCasey REASのエキシビションについても解説しました。

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maeさんは、ピクセルアーティスト。「もともとは教員。自己表現をもとめてピクセルアートをはじめた。2021年からNFTを利用していて、NFTによって得られたもの、繋がったものもたくさんある」と話します。また今年6月に渋谷で開かれた「NFT ART TOKYO」にも作家として参加。今年3回目を迎えた「NFT ART TOKYO」は、多くの来場者で賑わい、「このイベントはもともとオフ会的なノリで始まったと聞いている。そこに来られるというのは、デジタルのつながりであっても人と人のつながりを求めているのだと思う」と話しました。

 

その上で、トークテーマは、都市や街との接点について。館林さんは、大勢の来場者が集まった「バーチャル渋谷」でのハロウィンイベントをひとつの例にしながら、「渋谷の街をバーチャルに模したことが、人が来る理由になっている」。また「渋谷にはサイバーパンクのイメージがついていて、特に海外の人も、渋谷のスクランブル交差点で何かやりたいと言ってくる。これはここ10年くらいグローバルなヒットプロダクトや商品を出せていない日本にとって、強い武器。有効活用する機会を作ることが大切」

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PARDEYの齋さんは、広島で行なった、NFTを活用した地域応援プロジェクトのための実証実験について紹介。「広島在住の作家にNFTを作ってもらい、高級特典として広島の商品や優待特典をプレゼントした。このプロジェクトを通して関係人口も増えた」と確かな成果があったことを伝えました。

NIINOMIさんは、自身の事業での実感を踏まえて、「アートの体験はNFTでも、オンラインだけでなく、土地のカルチャーや人に影響されてできるものだと思っている。その場所でしかできない体験を、その場所でどう醸成できるかも大切」

maeさんは、特に「NFT ART TOKYO」を渋谷でやる意義について「NFTがアートとしてどうあるのかは定まっていないところもある。今後どうなっていくのかという、共通認識がない。だからこそ、渋谷という、多様なもの、入り組んだものがいいとされる街でやることは良いと思う」

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最後に、それぞれ今後のビジョン、取り組みについて。館林さんは、「新しい時代に、クリエイターエコノミーを支援していく」。PARDEYの齋さんは「Web3を社会実装させるために、いろんな会社と取り組んでいく。その中で、渋谷の街で、NFTを活用し、リアルとデジタルを組み合わせた新たな体験を提供する「SHIBUYA Q DAO」というプロジェクトをはじめるので多くの人に参加していただけたら」。

NIINOMIさんは「今後も、デジタルアートの体験を考えていく。「Bright Moments」のような世界を舞台にしている方々と協力できる機会を得ているので、日本から世界へ向けてデジタルアートを面白くするような場をつくりたい。また、従来の西洋の文脈とは違うアジア的なアートについても考えたい」

maeさんは「リアルなスペースでの個展を予定しているが、デジタルでできること、その場でできることなどを深掘りしたい。また評価の軸を自分自身に置かないと、マーケットに左右されるのは作家にとって苦しこと。そのあたりを考えながら活動していく」と語りました。

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