テクノロジー × 渋谷カルチャーで、新たなアートを体験 - DIG SHIBUYA 2024開催に向けて
<登壇>
南塚真史 NANZUKA 代表
村本剛毅 アーティスト
宮本安芸子 渋谷区産業観光文化部 部長
寺西藍子 indigo株式会社 代表取締役社長
2024年開催、テクノロジー×渋谷カルチャーの祭典とは?
2024年1月12日〜14日の3日間にわたり、テクノロジー×アートをテーマにした渋谷の新しいイベント「DIG SHIBUYA」が開催されます。
まず宮本さんが「DIG SHIBUYA」開催の背景について、コロナ禍で渋谷独自のカルチャーが大打撃を受けたことを振り返りながら話します。
「渋谷区には文化・エンタメ施設が把握しているだけでも160以上あったのですが、コロナ禍で大きなダメージを受けました。渋谷の文化、観光産業を再び活性化していかなくてはいけないという想いと、もっと渋谷に訪れる方々にアート、カルチャー、テクノロジーに触れる機会を創出したいという想いで『Shibuya Creative Tech Committee』を立ち上げてプロジェクトを進めてきました」
宮本さんは渋谷区でのスタートアップ企業の誘致も担当しています。世界中の様々なスタートアップ企業とやりとりをする中で、渋谷で何かをやりたいと話す企業は、テクノロジーやアートに関連する事業者が非常に多いことに気付いたと言います。
イベント名の“DIG”はレコードカルチャーの“ディグる(掘る、探す)”から。渋谷区の様々なベニューを回ってもらう回遊型イベントとなり、パブリックスペースを活用したアートのインスタレーションも予定しているそうです。
公募アーティストで出展が決定しているのは13組。その選考委員を務めたのが南塚さんです。選考の基準を考える際、渋谷の街を意識して「既存のアートの“こうでなくちゃいけない”という枠組みからどれだけ逸脱しているか」も重視したのだそう。そんななかで高い評価を受けたのが、パネラーとしても参加している村本さんです。村本さんは自身の作品についてこう説明します。
「ざっくりいうと、誰が何を見ているのか?の研究です。いま僕がペットボトルを見ていると、『村本がペットボトルを見ている』と主語と述語で簡潔に表現できます。でも、ペットボトルのどの面を見ているのか、概念を見ているのか、それとも間の何かを見ているのか、といろんな視点がある。今回のプロジェクトは、場を共有している全員の網膜に映るものが、映画のように切り貼りされた映像で自分に流れてくる。そういう架空の知覚を実現しました。全員の視点をリアルタイムで同時に見られるイメージです」
百聞は一見に如かず。言葉で表現するのが難しいですので、ぜひ来年1月「DIG SHIBUYA」の会場で村本さんの作品に触れてみてください。
その後は、渋谷の街が持つ魅力について意見が交わされます。南塚さんは「渋谷には新しいことをしたい人が集まって、それが脈々と受け継がれてきた。みんなが寛容で、いい意味で無関心。だからこそ色々なカルチャーが生まれる」と表現し、宮本さんもこの発言に強く同意。
また南塚さんは、「DIG SHIBUYA」の理想形として、1884年に初めてパリで開催された、無審査で出展でき作品の評価は来場者が行う美術展「アンデパンダン展」を例に挙げながら、「そのようにして渋谷にいる人たちがプラットフォームを自由に使えるのが理想」と話しました。
来年開催の「DIG SHIBUYA」を通して、渋谷の街のどんな姿が見られるのか、期待が高まります。