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関東大震災から100年後の東京 ~TOKYOもしもFES渋谷2023を振り返る~

<登壇>
酒井健 こくみん共済 coop <全労済>
杉浦小枝 渋谷区副区長
清木まりあ NHK メディア総局 展開センター(防災・復興支援グループ)
金山淳吾 一般財団法人渋谷区観光協会 代表理事

 

渋谷に住む人や訪れる人、みんながもしもの災害に対処していくためには?
TOKYOもしもFES渋谷2023に学ぶ

 

『関東大震災から100年後の東京 ~TOKYOもしもFES渋谷2023を振り返る~』では、こくみん共済 coop <全労済>の酒井健さん、渋谷区副区長の杉浦小枝さん、NHKの清木まりあさん、SIWエグゼクティブプロデューサーの金山が登壇。関東大震災から100年を数えた2023年9月に行われたTOKYOもしもFES渋谷2023を振り返りながら、次年度のイベントに向けたアイデアを出し合いました。

TOKYOもしもFES渋谷2023は、100年前の震災の記憶を持つ人の数は今では少なくなっていることから、その記憶を繋ぎながらどのようにして地域の防災と自助力を高めていくかをテーマに行われたイベントです。

もしもプロジェクトは、2021年の東日本大震災から10年というタイミングでスタートしましたが、その目的は来街者に災害に対する備えを啓発していくことでした。
今回のもしもFESでは、災害が起こった時に咄嗟に動けるための経験を養うパルクールやスパルタンレース、避難生活時でも身体一つで楽しむことができるストリートスポーツの体験会、防災情報に関する「もしもテスト」などを実施。またNHKによる冷房完備の全天候型ブース「ビジョンハウス」での関東大震災映像のカラー上映、身近なもので災害時に役立つものを作る親子向けワークショップなども行われました。

SAI3176 関東大震災から100年後の東京 ~TOKYOもしもFES渋谷2023を振り返る~

その中で注目を集めたのは、”ローリングストック”だったといいます。ローリングストックとは、災害時に備えて食料を備蓄するだけではなく、それを日常の食生活に取り入れながら補充をしていくというもの。TOKYOもしもFES渋谷2023で初めてこの言葉を知り、覚えて帰ってくれた人が多かったとのことです。

 

また、来街者と区民が同じ目線で防災に意識を向けられるようにする目的で、イベント会場以外での取り組みとして、防災の啓発広告も作られました。この取り組みについて、杉浦さんはこう話します。

SAI3207 関東大震災から100年後の東京 ~TOKYOもしもFES渋谷2023を振り返る~

「例えば、渋谷の街でお酒を飲み、酔っている時に災害が起きた場合、元々渋谷を知っている人とそうでない人とでは状況の理解や判断に差が出ると思う。日頃の啓発で渋谷での防災意識が身に付いていれば冷静な判断ができる」

啓発広告の中のひとつに「災害時は渋谷駅に行かずにその場に止まって」というメッセージがあります。「酔った状態には帰巣本能みたいなものがあるので、みんなきっと渋谷駅に行ってしまう。そうなると渋谷駅が人で溢れかえってしまうので、その場に止まるか、代々木公園に避難することを伝えている」と杉浦さんは続けました。

 

あわせて金山も、いまの渋谷には多くのインバウンド客が訪れているため、今後はこういった啓発広告も日本語だけでなく、英語表記のものも求められる。それを来年への課題として挙げました。

SAI3217 関東大震災から100年後の東京 ~TOKYOもしもFES渋谷2023を振り返る~

清木さんはNHKが出展したコンテンツのひとつで、23区で地震が起きたときにとるべき行動を各自治体と提携しながら内容を考えたグラフィックボード「わがまち防災」について、渋谷区との取り組みを振り返りました。

「イベントに参加するだけでなく、コンテンツを作ってみたいということで「わがまち防災」を作った。渋谷区の防災課とも打ち合わせを重ねながら、自治体を通して防災情報発信ができたことはすごくよかった。NHKと自治体が一緒に行うことで、発信力は2倍にも3倍にもなる」

 

さらにトークセッション中、話が来年のもしもFESの開催に及ぶと酒井さんは、来年への意気込みをこう語りました。

「今年のTOKYOもしもFES渋谷ではすごくたくさんのことができた。しかし、ダイバーシティの観点で今年は色々なかたちで幅広くメッセージをつくったが、来年はそれらを深く伝えていく必要がある。また、防災目当てでない人にも楽しんでもらえる防災コンテンツを実現できた意義は大きいと思っているが、来年はその取り組みもさらに深めていきたい」

SAI3188 関東大震災から100年後の東京 ~TOKYOもしもFES渋谷2023を振り返る~

そのほかにトークセッションでは、暑すぎる9月にイベントを開催するかどうかや夜の防災訓練の実施の可能性などについても意見が交わされました。

TOKYOもしもFES渋谷2023で得た気づきや学びが来年に生かされることで、渋谷に住む人や訪れる人の防災・減災意識がさらに深まっていくはずです。

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