考える、対話する、発表することがアクションへつながる。皆さんが考える「女性のはたらく課題」とは?
「『人財躍動化』を通じて、社会を変える。」をテーマにしたワークショップがメインとなった本セッション。今回は、会社、年代、性別が異なる参加者が6つのグループに分かれ、「女性のはたらく課題」について活発な意見交換を行いました。
「女性のはたらく課題を解決するアイディア創発ワークショップ」
11月10日(木)14:00 – 15:30
<登壇>
橋本 紀子(アデコ株式会社 BusinessPlanning本部 IncubationProgrammes責任者 兼 senior accelerator)
アデコ社のシニア・アクセラレーターである橋本さんが司会を務め、ワークショップのテーマと目的、ルールを冒頭で説明します。特徴的だったのは、1時間のワークショップで「質より量」「ぶっ飛びアイデア大歓迎」「のぞき見・模倣OK」「批判・遠慮はNG」ということ。
限られた時間のなかで、初対面のメンバー同士が遠慮なく活発に意見を出し合えるため配慮がなされており、意見交換とコミュニケーションのなかから発想を生む、既成概念や価値観をなくすという意図も汲んでとれます。
説明ののち、早速ワークショップがスタート。6つのチームがそれぞれ自己紹介のあと、アイデアを出し合います。橋本さんもテーブルを回りながら、各チームの気になるトピックや議論を加速するようにサポートをして、あっとうまに1時間が過ぎ、発表タイムを迎えました。
各チームの発表タイムは3分間。最初に発表したのは唯一女性だけで構成されたチームです。話し合うなかで「仕事と家庭の両立」「女性特有の体の問題と社会の理解」「女性の働き方・待遇の問題」の3つのテーマに集約したという彼女たち。特にアンコンシャスバイアス(無意識の差別)はまだまだ社会に存在し、女性だからこの仕事は向かないだろうなどの決めつけがあると主張します。
つづく2チーム目が掲げたのは「フラットであれ」というテーマ。多様性の時代で、男女それぞれの身体的な特徴はケアすべきだが、それ以外の仕事やプライベートではそもそも差があるのがおかしいのではないか、と問題提起します。性差ではなく個人と向き合うべきであり、その根本にあるのは「無知」と「ラベリング」であると発表しました。
4番目のチームもアンコンシャスバイアスや知識/理解ないことが原因として起きる課題が多いと同様の認識を示しており、参加者の皆さんが、「女性だから」という考えが先行し、型化された価値観や経験則で人を判断してしまうことが現在でも常態化していることがわかります。
これまでのチームが現状の課題分析をまとめているとしたら、5チーム目はそのような現状から、フィンランドを例に挙げて「選択できる社会」を提示する発表に。唯一、幸福度(ウェルビーイング)というキーワードを挙げていたのも特徴的でした。
ワークショップの目的は、橋本さんが最後に「答えがなくてもいい。考え続けるのが大事」と告げたように、考えることでアクションのきっかけをつくっていくこと。またアクションできるかどうかは思考の熱量にも左右されるはずです。ひとりで考えるより、対話・コミュニケーションからアクションの種が生まれていくこと、その重要さを感じさせてくれるセッションとなりました。