安全性の高い社会はみんなで考えて創造しよう！
安全というキーワードでどのようなものを想像するでしょうか？ 安全と一口に言っても、身体的な安全性、精神的な安全性に加えて、なにから守るのか？という視点もあります。本セッションは、自動車保険を扱うイーデザイン損保から田屋さん、メディア企業の代表を務める今田さん、女性が働きやすい社会の実現に向けてサービスを展開するmederiの代表・坂梨さんと３名の女性をスピーカーに迎えて「安全」についてのクロストークを披露します。

「SAFETY FIRST 安全な社会って一体どう作るの?」
11月10日（木） 12:15-13:00
＜登壇＞
田屋和美（イーデザイン損害保険株式会社 CX推進部 リーダー お客さま体験統括）
今田素子（株式会社メディアジーン代表取締役 CEO・ファウンダー）
坂梨亜里咲（mederi株式会社 代表取締役）
友澤大輔（イーデザイン損保 CMO）

安全の概念や定義は、立場によっても変わります。育児をされていると子どもの安全を第一に考えるかもしれませんし、心理的安全性をもっとも大切にする方もいるでしょう。まずは3名のスピーカーにそれぞれの立場から社会的意義ある安全とは？ をお聞きしました。

「イーデザインが考える安全は共創型でデザインしていくものです。これまでは万が一事故が起きたときの安全でしたが、そもそも事故がなくなることが一番の安全。さらに事故にあったご本人だけではなく、ご家族やご友人など周囲の方々の安全、そして従業員の安全も考えています」（田屋さん）

「私は経営者なので、安心安全に働けることを常に考えています。特に従業員が心理的安全性を保てるように試行錯誤しています。仕組みやルールだけではなくて、カルチャーをつくって、組織をデザインすること。それを経営だけじゃなくてみんなでやっていくことが大事」（今田さん）

また坂梨さんはジェンダーの視点から男女で安全性は異なること、多様化した社会ではひとりひとりの安全を考え、当事者意識になる重要性を説きます。

「皆さんが感じている体の不調にフォーカスしたい。女性には月経があり、社会も休暇を取得すればいいんでしょ、くらいの感覚があって、生理休暇という名称がそもそも取りにくい要因になっています。私たちは、低用量ピルを会社の福利厚生として導入してもらうケースが多い。導入の経緯も現場の女性陣が一致団結して声をあげてもらっていることが多い」（坂梨さん）

月経を体験しないことで男性が女性の気持ちをくみ取りにくいように、人それぞれの悩みを理解しなくては、「安全な社会」は実現しにくいとスピーカーのみなさんは賛同します。

「体の不調はパフォーマンスに影響するので大きな問題。意思決定者は男性が多いし、当事者にしかわからない事情もある。相互が理解して、会社が変わり、社会が変わっていく必要がある」（今田さん）

自分の安全から、近しい家族や友人の安全、そして社会全体の安全。共創型で安全な社会をつくるためにイーデザインが行っている取り組みを田屋さんが紹介します。

「事故になってしまったら皆さん弱気になる。会社も休まなくてはいけないし、様々な手続きも必要で、心理的に疲弊してしまう。隣の方が顔色悪いと気遣える世界になれば安全が実現すると思います。イーデザインは保険の会社ですが、まずは事故をゼロにする社会を目指しています。一方で保険会社は、皆さんの事故が減ると利益が増えます。その利益を社会に寄付して還元しています。その寄付金で道路にガードレールをつくったりして、安全な社会づくりに貢献している」（田屋さん）

ちょっとした思いやりが世界を変える。そんな気づきとともに仕組みやルールをどのようにするか？ 誰もが他者を思いやれる社会が実現したら、ルールはいらないのかもしれません。まずは自分と他人の安全の違いを知ることが一歩目になるはずです。