タウンマネジメント3.0 〜都市の可能性をデザインする〜

渋谷アイデア会議

「タウンマネジメント3.0 〜都市の可能性をデザインする〜」
11月9日(水) 16:00-16:45
<登壇>
黒川 泰宏(東急不動産株式会社 都市事業ユニット 渋谷開発本部 執行役員本部長)
石山 アンジュ(一般社団法人シェアリングエコノミー協会 代表理事)
渡辺 やよい(株式会社NTTコノキュー マーケティング部門パートナーリレーションズグループ)
金山 淳吾(SIW エグゼクティブプロデューサー)

バーチャル空間とリアルを融合させた街づくりを

世界を代表する企業が現在、「バーチャル」の領域に注力しています。また、ARやVRに代表されるXR技術やメタバースなどのテクノロジーがビジネスの世界では頻繁に取り沙汰されています。
そういった技術を、街づくりにはどのように活用することができるのか。今回はSIWエグゼクティブプロデューサーの金山が、東急不動産株式会社の黒川泰宏さん、一般社団法人シェアリングエコノミー協会の石山アンジュさん、株式会社NTTコノキューの渡辺やよいさんの3名を迎えて、新たな都市の可能性について意見を交わしました。

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まずは黒川さんより、未来に向けた渋谷の街づくりについてプレゼンが始まりました。

「渋谷駅から約2.5kmを広域渋谷圏と定義しており、4つの大規模プロジェクトを推進しています。現在開発フェーズから運営フェーズに以降しており、これからはタウンマネジメントが重要になると考えています。広域渋谷圏の持っている、価値創造力・情報発信力・多様性という3つの魅力をさらに強化するために、数々の施策に取り組んでいます」

SAI1402 タウンマネジメント3.0 〜都市の可能性をデザインする〜SAI1411 タウンマネジメント3.0 〜都市の可能性をデザインする〜

金山は渋谷のタウンマネジメントについて、「戦後復興期から高度経済成長期にかけて街のハード(建物・施設)を作り上げていかなければならなかった。そこに商品をインストールして、モノを売っていた時代の渋谷が1.0です。バブル後はコトを売る渋谷にシフトし、2.0になったと考えています。これからはSDGsやシェアリングエコノミーなど、様々な社会的価値観を発展させるのがタウンマネジメント3.0ではないでしょうか」と語ります。石山さんはシェアリングエコノミーを、タウンマネジメントの観点でどのように見ているのでしょうか。

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「2016年にシェアリングエコノミー協会を立ち上げましたが、この6年で大きくライフスタイルが変わりました。また、緩やかなつながりを求めている方も増え、急速にシェアリングエコノミーが広がっていると思います。タウンマネジメント3.0は、街の利用者から作り手になる余白ができることだと思いました。例えばAirbnbであれば、外国人のインバウンド観光客のおもてなしが自分でできます。どうしても渋谷にいるとサービスを受けるお客様感覚になりがちですが、街に貢献したり、自分が街にとってなにか循環するリソースになったりするような余白が生まれる世界を期待しており、そこにシェアリングエコノミーが活かせるのではないでしょうか」

金山の「どのようなハードルを超えると目に見える未来都市になるのか」という疑問に、渡辺さんはデバイスのアップデートが必要だと話します。

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「我々はデジタルデータで街をアップデートするサービスを提供していますが、今はスマートフォンをかざすことで街がデジタルによってアップデートされるかたちです。それが今後、メガネ型のデバイスをつけることが当たり前になれば、無意識的でより自然な体験を実現できるようになるのではないでしょうか。今まで使っていなかった“空間”という新しいメディアができるので、クリエイティブに壁と言う制約がなくなります。今までの目立つ壁にクリエイティブを貼るというセオリーではなく、地面から生えてくることもできるので、どう表現するかをクリエイターと一緒に考えていきたいです」

金山は「パブリックな場所をシェアできれば、新しい技術を持ったクリエイターのたちが自由に表現してくれる空間になるのではないか」と提言しました。この意見に対して3名は同意します。

「さらに言うなら、リアルとバーチャル、両方の空間を作るのが良いと思います。自分も渋谷でシェアハウスをしていますが、コロナでライフスタイルが変わり、1か月の半分を渋谷で、半分は地方で過ごす人が増えてきました。東京の良さはいろんな人が集まったり、イベントがあったりする点ですが、地方にいる時もバーチャル空間で東京のイベントに参加できると、化学反応が生まれるのでは」(石山さん)

「まさに我々が取り組んでいきたい領域です。Web会議ではなく、街のデジタルツインを作り、アバターで参画することで、人の温度を感じられるコミュニケーションを取れるのではないでしょうか。仮想空間では全員がイベントを最前線で体験することが可能です。他地域の方も参加できる体験を提供できればと思います」(渡辺さん)

「究極的には東急不動産も同じ世界を目指しています。ただし我々だけではなく、皆さんと一緒に考えていきたいです。リアルとデジタルの融合を目指し、その中でリアルの価値を向上させればと考えています」(黒川さん)

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「Web3がトレンドワードとなっています。クリエイターエコノミーにシフトすると、クリエイターが発言権を求めてその需要が可視化されるのではないでしょうか。実際に渋谷ではその声が大きいですが、制約が大きくてほとんどなにもできていません」と金山は漏らします。この実態に対して、石山さんは都会と田舎を例に、こう語ります。

「大分の家は元々空き家だった物件を月2万円で借りています。渋谷の家では壁に画びょうを指すのさえ躊躇しますが、田舎の空き家なら壁にペイントしたり、いくらでもDIYができます。つまり、自分の手を加えられる余白があるということです。同じような体験をバーチャルの空間でできればと思います。この壁は自分が書いたものだと表現できればなお良いでしょう」

渡辺さんも「ブロックチェーンやNFTで今後、それが誰のものかという証明ができてきます。バーチャル世界での表現は広がっていくのではないでしょうか」と付け加えました。

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タウン“マネジメント”ではなく、新たな言葉が必要

Web3は自律分散型の概念だと言われており、中央集権的なエコシステムとは対をなします。本セッションでも「個人」の重要性が語られました。金山は本セッションのタイトルの“マネジメント”は中央集権的な言葉であることに気づき、新たな「タウン○○」を考えるべきではないかと話します。それに対して、3名はこう返しました。

「最近米作りをやっているのですが、その中で、昔の人は街を自分が育てていかないと、という責任が強かったのではないかと考えるようになりました。それを回帰させる必要があるでしょう。どうすればみんなから主体性をつくっていけるのか。その仕掛けがタウン○○だと思います」(石山さん)

「タウン○○では、街にいない方も対象になるのではないでしょうか。世界中のだれもが渋谷の街づくりに参画してくニュアンスがあればと思います」(渡辺さん)

「マネジメントから離れるのは街づくりで重要な考え方です。デベロッパーの世界では、プロパティマネジメントなどマネジメントがつく言葉が多い。現在、クリエイターの聖地となる施設を作っていますが、主役はクリエイターの方です。我々はそのサポートをする役割を担っています」(黒川さん)

デジタルツインの世界では、道路交通法も重力もありません。そのため、写実性の高い(現実により近い)ツインシティをつくるのか、それとも物理法則や法規制を無視したカオスな街をつくるか、どちらの方が良いのでしょうか。渡辺さんはこう話します。

「街を感じるために、見かけは写実性が高いほうが良いとは思います。その半面せっかくのバーチャルなので、空を飛べたり、大きくなったり小さくなったりするように、参加する側の制約を取っ払って、リアルと同じものがある中でバーチャルに追加して行くと良いのではないでしょうか」

石山さんは都市計画におけるバーチャル空間の活用を提言します。

SAI1385 タウンマネジメント3.0 〜都市の可能性をデザインする〜

「都市計画と時代の変化のスピードが会わなくなってきていると実感します。都市計画は何十年も未来を計画していますが、いきなりコロナがきたときのように社会が急に変わるかもしれません。なにが起こるかわからない時代の中で、バーチャル空間ではなにか起こった時に軌道修正ができるプロトタイプをつくる空間が必要です」

渡辺さんは「バーチャル空間をリアルと近しく作ることで、防災訓練や、洪水が起こった時の動きをシミュレーションする使い方も始まっています。バーチャル空間は様々なシチュエーションに応用することが可能です」と答えました。リアルの街を今後再定義するために、デジタルの使用は避けて通れないのかもしれません。今後どのようなテクノロジーが生まれ、見慣れた街並みを変えていくのでしょうか。

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