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リテラシー不要。人間が主導で扱えるデジタル技術 ——「世代を越える“ニュー・アナログ”」

開催: 9.21(土) 渋谷ヒカリエ 8/COURT

“多様な未来を考える12日間”「ソーシャルイノベーションウィーク渋谷」
https://social-innovation-week-shibuya.jp/2019/

DIVE DIVERSITY SESSION
「世代を越える“ニュー・アナログ”」

2019年9月21日(土)15:45〜16:30
渋谷ヒカリエ 8/COURT
<登壇>
株式会社ディグナ 代表取締役
梅崎健理

高校生だった当時「~なう」という表現で2010年の新語・流行語大賞を受賞したことでも知られる「うめけん」こと株式会社ディグナ代表取締役の梅崎健理さん。



「4歳の頃に父親の職場ではじめてパソコンに触り、インターネットにアクセスした時は興奮した」と語る梅崎さんは、自身が考えた”ニュー・アナログ”という造語について、「リテラシー不要、機械主導ではなく人間が主導で扱えるデジタル技術、デジタルガジェットのこと」と説明します。

10代の頃を振り返りながらトークを進める梅崎さん。
「iPhoneを手にしてTwitterを始めた時は、初めてインターネットに出会った時と同じ衝撃を受けました」

パソコン、インターネットのある生活環境の中で育ってきたデジタルネイティヴの梅崎さんは、日本の未来についてはやや暗い未来が見えていると話しました。



今後、超高齢化社会を迎えるという社会的な課題を持つ日本。2065年には日本の人口は2.6人に1人が65歳以上の高齢者となります。「そんな未来予想図がある限り、日本にはワクワクするような時代はもうやってこない」と語ります。

「しかし、そんな未来が見えていても自分は英語が得意ではない非グローバル人材。だから今後も日本でやるしかない。だからこそ、そこをマーケットにする場合、必要になってくるのが”ニュー・アナログ”だ」と続けました。



梅崎さんが考える”ニュー・アナログに近いもの”。それはデジタルペーパー、ハンディプリンター、UberEats、デジタル仏壇、スマートステッキの5つ。

小難しい知識がなくても、人が簡単にあたかも”モノ”として扱えるもの。その考えに照らし合わせた時、仮にテクノロジーに知見がない老人でもスマートステッキなら従来のものと同じように扱うことができる。
こういったデジタルとアナログが融合したものこそが”ニュー・アナログ”だと例を挙げながら説明しました。

デジタルなものについて、「実はデジタルネイティヴにとっては当たり前すぎて逆に理解できていないこともある」と続ける梅崎さん。

「“どうして携帯はつながる?”、”どうしてネットは見られる?”、”充電って何でできるの?”これらはデジタルネイティヴにとってはその理由すら気にならないものかもしれない。でも、目の前で起きている事象に対して基礎知識を持つことは、今後、自分たちが年老いた際に老害だと言われないためにも必要だ」と、デジタルネイティヴ世代の思考の落とし穴について梅崎さんは警告します。

その上で、「理由が知りたい、仕組みが知りたいという好奇心からデジタルとアナログの融合は始まる。ニュー・アナログなものはこれからも作り出され続けていく必要がある」と語りました。



社会的な背景も踏まえると、これからは若い人だけでなく、高齢者の方々でも簡単に使えるガジェットが必要になってきます。世代を越える“ニュー・アナログ”なものこそが、日本の未来を切り開く希望になります。

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