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変化に対応すること、変化しない軸を持つことの大切さ —— MCA Meet Up #02「多様化するマーケターのキャリア」【SIW2019レポート】

開催: 9.18(水) 渋谷ヒカリエ 8/COURT

“多様な未来を考える12日間”「ソーシャルイノベーションウィーク渋谷」
https://social-innovation-week-shibuya.jp/2019/

DIVE DIVERSITY SESSION
MCA Meet Up #02
「多様化するマーケターのキャリア」

2019年9月18日(水)19:00~21:30
渋谷ヒカリエ 8/COURT
<登壇>
Peatix Japan株式会社 CMO
藤田祐司
NETFLIX マーケティング シニアマネージャー
鴨下豊
FWD富士生命株式会社 執行役員 兼 CMO
立川麻理
The Breakthrough Company GO プランナー
折茂彰弘

まだまだ日本ではマーケティングに理解が薄いと言われています。具体的にどのような仕事なのかイメージできる人も少ないのではないでしょうか。
ダイバーシティ化、社会構造の変化、ビジネスモデルの多様化など現在マーケターを取り巻く環境は複雑さを増しています。今回はマーケターキャリア協会(MCA)主催のもと、日本の第一線で活躍するマーケター4人が一堂に会し、マーケターのキャリアについて意見を交わしました。



藤田さん、鴨下さん、折茂さん、立川さん。登壇者それぞれがこれまで外資系を含む複数社で働いてきたというキャリアの共通点があったため、まずテーマは日本企業と外資系企業の違いからスタート。
それぞれの経験と視点から意見が出ますが、外資系企業の「スピーディな決断」「フレキシブルな環境」という特徴には4名ともに強く共感をしていました。また、日本との決定的な違いとして、“採用”を挙げたのが折茂さん。



「内定は決まっていたのに、入社時期が全然決まらないんですね。というのも、僕が所属したい部署に空きが出ないんですよ。そのため採用フリーズが起きている。海外だとポジションに人を充てるのが一般的なので、そこは日本との大きな違いですね」(折茂)

つづいて、「ダイバーシティはマーケターのキャリアにどう影響するか?」「より発展性のあるキャリアにするためには?」がトピックになります。



「私はもともと消費財のマーケティングを行っていました。当時のキャリアの考え方だと、消費財をやったらずっと消費財に関わるというのが一般的だったので、私が小売に転職する際は、周囲から驚かれましたね。商品の知識をゼロから吸収するのは大変ですが、でもなにかを生み出す力というのは共通しているんです。
その挑戦を繰り返していくことで、“型”が見えてくる。様々なチャレンジと変化をすることで、変化しないものが見えてくると思います」(立川)

「自分の領域外で戦うというのはすごくメリットになると思います。僕は若い頃からカンフォタブルゾーン(快適である)に入ると、転職をしたり、フィールドを変えてきました。経験を積むと“こなす”ことができるようになり、居心地がよくなる。そこにとどまっているのは非常に危険。専門領域を持ちながら、常に刺激を受けるというのが大事だと思います」(藤田)

「生活者のプロであるマーケターにとって、ダイバーシティは非常に面白い環境だと思います。マーケティングを拡張していくために常にお客さんの視点でものごとを考える必要があるので、視点も変わり、マーケターのキャリアも多様化していきます」(折茂)



「僕は常に異なるバックグラウンドの人と仕事をしてきました。結局、1人で仕事はできないので、じゃあどういうコミュニケーションを取ればスムーズに進むのか? ミッションを達成できるのか? を考えてやってきた。多様な時代で生き抜く上では大切になると思います」(鴨下)

会場にはマーケターの方が多く参加していたため、トークセッションの後も多くの質問が出ました。その中でも興味深かった「マーケターとしての商材へのアプローチ方法」を紹介します。

「商材と消費者の接点はどこにあるのか? を徹底的に探る」(鴨下)

「市場分析、消費者分析、顧客分析の後、自分の目で現場のリサーチを繰り返す」(立川)

「僕はまず仮説。膨大なデータをフラットに見ても発見できないことがあるので。仮説を立ててからデータで裏付けていきます」(折茂)

マーケターとして領域の違いはあるとは言え、それぞれの手法が異なり、確立されているのは面白い点ではないでしょうか。



最後にマーケターとしての“NEW RULES”は、と訊かれると……

「いまは多様化の時代ですが、ちょっと先には価値観がシームレスになると確信しています。そのときに自分はなにができるのか? これを考えつづけるのがいまの自分のルールです」(折茂)

「ドイツのビジネススクールでリーダー論を学び、いま心がけていることが2つあります。1つは、“Ask Question(質問をしろ)”です。キャリアを積むと、どうしても自分の経験で語りがちですが、答えは質問した先にあるという考え方ですね。
2つめは、“エンパシー”。これは他人を自分と同一に考える、共感するということです。人の感情を理解することは、多様化する時代に非常に重要です」(立川)

「僕はいわゆる“いい人”になりたい。いまの職場の上長もそうですが、人として尊敬できる立ち居振る舞いをしているんです。スキルや経験を積むことも大事なんですが、人として尊敬されること。徳を積むこと、を大切にしています。」(鴨下)

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