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人類を幸せにする企業哲学が起こすイノベーション ——「社会の可能性を拓く、未来志向のブランディング」【SIW2019レポート】

開催: 9.18(水) 渋谷ヒカリエ 8/COURT

“多様な未来を考える12日間”「ソーシャルイノベーションウィーク渋谷」
https://social-innovation-week-shibuya.jp/2019/

DIVE DIVERSITY SESSION
「社会の可能性を拓く、未来志向のブランディング」

2019年9月18日(水) 13:15〜14:00
渋谷ヒカリエ 8/COURT
<登壇>
クリエイティブディレクター/EVERY DAY IS THE DAY 共同代表
佐藤夏生

「以前はクリエイティヴというと絵を描いたりアート作品を作る感覚に近かった」と語るクリエイティブディレクターの佐藤夏生さんは、「この10年でクリエイティヴの意味が変わった。今はクリエイティヴの民主化が進んでいる」と言います。



「クリエイティヴにおけるアイデアとはデザインではなく、社会との新しい関係性の作り方と捉えている」と説明した佐藤さんが、例として挙げたのが「くまもん」。熊本に住んでいる全ての人を応援できる、そして著作権フリーでみんなが使えるからこそ、社会に広く広まった。そのつながりを考えることこそが“アイデア”だと言います。

またイノベーションとは企業ではなくユーザーの行動が起こすものと、この10年は画質ではなく薄さや使いやすさ、共有しやすさという軸でカメラが進化してきたことを例に説明。そういった文化、新しい考え方を社会に実装していくことがソーシャルイノベーションを起こすきっかけになります。



ソーシャルイノベーションと渋谷の関係でいえば区が推進するダイバーシティ化があります。佐藤さんは「ダイバーシティとは思いやりと言われるが、そうではなく、例えば他人に感じる違和感があって、その差分を考え、自分に良いものとして捉えようとするための考え方」と語ります。

20世紀、企業は利益を上げることでブランドバリューを築いてきました。しかし、21世紀はその価値観にも変化が訪れ、今は物を売るためのものではなく、本質的に人類を幸せにするミッションを掲げられる企業が強い時代だと言います。そのための哲学こそが社会の可能性を拓く、未来志向のイノベーションであり、ブランディングです。



その意味でブランディングとは「人や暮らし、社会の可能性を形にすること」と佐藤さんは説明を続けます。
またマーケティングとは、「売ることが目的ではなく社会が前進することに意義を見出すこと」と語り、そのためには競争相手であっても協力する“フレネミー(フレンド&エネミー)”という企業同士の関係も必要だといいます。



クリエイティブにおいて今、大切なことは“シェア”が割り算から掛け算に変わったことや、ダイバーシティ化、女性の活躍など社会の潮目が変わったことをまず捉えることが大切です。潮目の入り口を見つけることで、地域共生や、ビジネス、人口ピラミッドなど様々な課題を解決することができるというのが佐藤さんの考え。

その上でこれからのマーケティング、イノベーションには“どういう感覚が可視化され、広まれば社会が良くなるのか?”をコレクトしていくことが大切だという考えを示しました。

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