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必要とされるのは食の情報開示と誰もが食べられるもの ——「食べるダイバーシティ」【SIW2019レポート】

開催: 9.18(水) 渋谷ヒカリエ 8/COURT

“多様な未来を考える12日間”「ソーシャルイノベーションウィーク渋谷」
https://social-innovation-week-shibuya.jp/2019/

DIVE DIVERSITY SESSION
「食べるダイバーシティ」

2019年9月18日(水) 15:45〜16:30
渋谷ヒカリエ 8/COURT
<登壇>
NPO法人日本ホリスティックビューティ協会代表理事
岸 紅子


美容業界出身で今は環境問題、食のダイバーシティにも取り組む岸紅子さん。色々なきっかけがあり、それらが全部つながっていることをこれまでの経験から語ります。

自分が抱えている病気を抑えるための薬を摂取する生活から抜け出したい。その解決の答えとして行き着いたのがホリスティック。



「世の中には西洋医療以外にも自然療法というものがあります。西洋医療は出ている症状を抑えるが自然治癒力で抑えていく知見はない。でも自然療法は、自らの治癒能力を高める効果がある」
そう語る岸さんは、自然療法に取り組むことで手に入れた薬に頼らない生活と、そこで知ったセルフケアの大事さをシェアするためにホリスティックビューティ協会を設立しました。

人間には男女問わず「綺麗になりたい」という願望があります。しかし、肌、髪、爪、見た目の綺麗は身体の中の状態から現れるもの。自分の力でコントロールできるノウハウを持つことで、外見、身体、精神を相乗的に改善でき「高いレベルの健康」を保つことができます。



そして、日本が医療費大国だという現実を考えると、人が健康になることは“社会貢献”でもある、と岸さんは考えています。
「皆保険は、すごく良い制度。でも社会の自分以外の誰かが医療費を捻出していたり、足りない分は国債でまかなっている。それは次の世代の負担につながる。でも健康であればその負担も減る。だからこそ、いま必要なことは、健康のリテラシーを高めること」

健康と密接に関係するのが“食のダイバーシティ”。重度の食物アレルギーを持つお子さんを抱えておられる岸さん。制限がある食生活の中で感じたこと。それはアレルギーは“ギフト”ということ。
「食べられないものがあると、食の安全性について調べるようになります」

保存料など添加物を含むジャンクフードを避け、素朴な食事をしていると、身体が健康的に変化します。それが現代の食害からの影響を防ぐことにつながります。



困るのは外食。例えアレルギーを持っていたとしても外食を楽しみたい。しかし、日本には成分表示など食の情報を開示することが少ないため、外食先で食べ物にどんなものが含まれているかを聞く必要がある。でも、食のリテラシーが低いとそれを明確に答えることができない場合もあります。
その事態を避けるためにも情報開示をしてほしい。それが岸さんたちアレルギーを持つお子さんを抱える親の願いです。



また食の情報開示はインバウンドで海外から観光客が集まるいまの日本にとっても大きな課題。なぜなら食事制限にはアレルギーのほかに宗教や動物愛護の観点、病気予防などさまざま理由があるからです。

食文化のダイバーシティ化が進む中、オリンピック開催を控える東京はそれにどう応えるのか?
「誰もが分け隔てなく食べられるものを提供する場を設けてほしい」
岸さんは問題解決のためにそう提案します。

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