アワード2022グランプリ「未来創造部」の現在 - 国を超えてのチームワークと挑戦
SIW2022「NOVUS FUTURE DESIGN AWARD」で募集したアイデアの中から最優秀賞・U19賞を受賞した、部活型オンラインコミュニティ「未来創造部」。今回は、未来創造部を創設した吉浦璃子さんと、共通のパッションを持つ創立メンバーである山川真菜夏さん、冨岡柚月さんにご登場いただき、これまでの紆余曲折や楽しさなど、それぞれの想いを伺いました。
取材・文:山羽真梨那(渋谷未来デザイン)
<INFO>
今年もSIWのアワード公募受付がスタート!|2024年10月16日(水) 23:59 〆切
『SIW IMPACT|GOOD IDEA / SHIBUYA GOOD ACTION』
>> リニューアルしたアワードの詳細はこちら
ーはじめに、未来創造部の紹介と皆さんそれぞれ自己紹介をお願いします。
吉浦 未来創造部の代表を務めています、吉浦璃子です。現在19歳で、アメリカのフロリダ州の高校を卒業したばかりです。これからミネルバ大学に進学予定です。ビジネスに対する興味は小さい頃からありましたが、ここ2、3年で教育にも深く関心を持つようになりました。未来創造部や、私が運営するNPO法人「クラリコ」は、国際教育をテーマに活動しています。
未来創造部の最近の大きなプログラムとしては、ビジネスコンテストの支援があります。ビジネスコンテストに参加したいけど、やったことがない学生や、仲間がいない学生を対象に、チームマッチングやメンターサポートを行っています。例えば、期限までに何をするかを設定し、フィードバックを提供して、初めてでも挑戦できる環境を整えています。
また、企業の持つ課題に対して学生の意見を取り入れたいというプロジェクトも進めています。これは多世代のコラボレーションを促し、新しい解決策を生み出そうという内容で、さらに定期的にオンラインでの交流イベントを開き、ゲストスピーカーを招いてビジネスやアントレプレナーシップの話をしてもらうことも行っています。
山川 山川真菜夏です。私は18歳で、現在アブダビに住んでいます。元々吉浦さんと同じ高校に通っていましたが、高校1年生の時にUAEに転校しました。未来創造部では、主にビジネスコンペティションへの参加支援や、SNSの運用を担当しています。また、イスラム経済の研究や、DECAジャパンの副会長として活動しています。
冨岡 冨岡柚月です。18歳で千葉に住んでいます。今、高校3年生で、未来創造部ではCTOを務めながら、テクノロジー関連の分野を担当しています。アプリ開発やエンジニアリング、サイバーセキュリティに関心があり、企業でのインターンなどもしています。
ー ありがとうございます。皆さんそれぞれ異なる分野で活動されていますが、そんな3人の出会いや、未来創造部のチーム結成について教えてください。
吉浦 私がフロリダに留学をしていた時、山川さんとはInstagramで繋がっていました。もともと同じ高校だったのですが、当時は面識がなく、彼女が私にDMを送ってくれたのがきっかけで話すようになりました。その頃、アメリカのビジコンに参加しようと考えていて、山川さんも興味を持ってくれて、ビジコンに一緒に挑戦することになりました。そこから、共通の興味を持つ仲間として繋がりが深まり、冨岡さんも加わって今の未来創造部のメンバーになりました。
山川 私も最初は吉浦さんがYouTubeで活動しているのを見て、英語を流暢に話しているのを見て「すごいな」と思っていました。そんな中でInstagramでのDMから交流が始まり、一緒に何かをやりたいと思うようになりました。そして、これから会社を作っていくという話を聞いて、さらに興味が湧き参加を即答しました。
冨岡 私も同じように吉浦さんのYouTubeを見ていたんですけど、実際に彼女と話してみると、自分が想像していた以上に行動力があって、すごく魅力的な人だなと思いました。もともと教育に興味があり、将来的には学校を建てたいと考えていました。高校生のうちにしかできない視点で何かをやりたいという未来創造部のコンセプトに強く惹かれたのと、カナダに留学していた経験もあり、日本とカナダの教育制度の違いを見ていたので、即答で「やりたいです!」と答えました。
吉浦 アメリカでも日本でも、同じような興味を持っている人に出会う機会が少なかったので、優秀で同じ興味を持つ2人が仲間に加わってくれたことは本当に嬉しかったです!
ー 同じ志を持つ仲間がチームになったのですね!実際に未来創造部を立ち上げてから今まで、大変に感じる事はありましたか?
吉浦 大変なことはたくさんありました。3人の住んでいる国が違うので、時差の関係でそれぞれ深夜、早朝にミーティングをしたり(笑)
後は、今までは結構学生目線に立って、自分みたいな学生は何が欲しいかって考えることはよくありましたが、未来創造部では、企業や保護者の視点にも立つ必要があり、自分が経験したことのない立場から『こういったニーズがあるのではないか』と考えるのは非常に難しかったです。その部分でコンパスシェアでコンサルティングを担当してくださっている桑江さんをはじめ大人の方に助けていただきました。
山川 私は、ホームページのデザインを担当していたのですが、最初に作ったデザインから最終的なデザインまで、修正の際に全てをゼロから作り直す作業に非常に時間がかかりました。何度も修正を繰り返しながら、最終的には納得のいく形に仕上げましたが、そこに至るまでのプロセスが大変でした。
冨岡 私も、テクノロジー関連の部分でサポートする中で、スキルの面ではまだまだ学ぶべきことが多いと感じました。でも、それが逆にモチベーションとなり、もっと深く勉強しようという気持ちに繋がっています。
ー 時差や国境を越えたチームワークで、様々な事を乗り越えてこられたのですね。逆に、ワクワクする瞬間や楽しさを感じるポイントなど、活動の中で、どのような瞬間にやりがいや喜びを感じますか?
吉浦 私が一番ワクワクする瞬間は、交流会などで未来創造部の学生同士が協力して何かを生み出すときです。自分たちが作った機会を通して学生たちがグループを組んで新しいアイデアを出してくれるのを見ると、本当に楽しいです。初めて会った学生たちが、自分たちのアイデアをプレゼンしてきたときには、「こんな素晴らしい発想に辿り着くんだ!」と感動します。交流や実践の機会がなかったら、この日本にこんなに多様な才能が溢れているとは気づかなかったなと思うことが多いです。そういう瞬間に出会うと、未来創造部が目指す価値を実感し、もっと多くの機会を作っていきたいという気持ちが湧いてきます。
山川 私が一番力を入れてきたのは、ビジネスコンテストの支援です。元々、私の周りではビジコンに興味を持っている人が多く、自分で申し込んで参加している人が多かったのですが、未来創造部に参加する学生の中には、初めてビジコンに挑戦する人も多いんです。その中で、最初は自信がなさそうにしていた学生たちが、3ヶ月から4ヶ月のスパンで自信を持ってプレゼンテーションを行うようになり、自分たちのアイデアを見事に発表できたときには、とても嬉しかったです。
さらにその中でも、半分以上の学生が、あるビジコンのファイナリストとして選ばれた時には、本当に成果を実感しました。年代が2つしか違わないのに、すごい成長を見せてくれた学生たちを見て、自分たちの活動が意味のあるものだと感じることができました。そこが一番やりがいを感じる瞬間でしたね。
冨岡 私も2人と同じように、ビジネスアイデアを考えている学生たちの様子を見るのが本当に楽しいです。特に、ハードルが高いプログラムに参加する学生たちが、自分の熱意を持って応募してくるのを見ると、すごくワクワクします。例えば、ビジネスのアイデアを実際に考えたり、成長していく過程を見ることができるのは、自分がこの場を作りたかった理由の一つでもあります。
応募書類を見たときに、「どうやって進めたらいいか分からないけど、起業したい」と熱心な気持ちを持っている学生たちがたくさんいて、その子たちがアイデアを実現していく様子を見られることは、本当に嬉しいです。そのプロセスに関わることができるのは、私にとっても非常に価値のある体験だなと思います。
ー皆さんの活動や、学生たちの成長を支援することに対する情熱が伝わってきます。最後に、今後の未来創造部としての目標や、それぞれの個人としての目標についてお伺いできればと思います。
吉浦 未来創造部としての目標は、今は約50名の部員ですが、もっと多くの学生が自分の可能性を広げられるようなプラットフォームを提供したいと思っています。
個人としては、日本やアメリカの教育のそれぞれの強み、ユニークな価値や文化を交換できる架け橋のような存在を目指したいのと、アメリカのみならずミネルバ大学を通してまわる各国での学びを活かし、将来的には教育関連の事業を立ち上げて、多くの人にポジティブな影響を与えたいと思っています。
山川 未来創造部としては、ビジネスコンテストや課題解決プロジェクトを通じて、学生たちのキャリア形成を支援することを目指しています。
また、私は今高校3年生で、あと数ヶ月で受験という状況なんですけど、将来は経営コンサルタントになりたいと思っていて、その夢を叶えるためにまずは大学受験に集中しています。できればアメリカの大学に行って、企業家精神を学びたいと思っています。
将来を考えると、教育の支援をしていく中で、何が必要かっていうのを自分なりに考えたとき、やっぱりお金が大事だなと思っていて。もともと経済学に興味があったので、アメリカの大学で経済学と経営学を学んで、日本に必要なお金をどうやって集めるかをもっと研究していけたらなって思っています。
冨岡 私も、アメリカの大学と大学院でコンピューターサイエンスの技術的な部分と経営について学んで、技術を生かした起業を早い段階から始められたら良いなと思っています。特に技術的なところではセキュリティ関連に興味があるんですけど、その分野で学びながら、パワーアップした後には、世界で活躍しつつも日本に拠点を置いて、日本もポテンシャルを生かして、元気な国になってほしいという気持ちがあります。また学んだことを教育分野にも還元していきたいと思っています。
吉浦 未来創造部は、今までにない価値を生み出して、日本に新しい風を吹かせたいっていう思いが強く、学生と社会をつなげて『こんなポテンシャルが生まれるんじゃないか』というワクワク感や情熱を持っている方、団体の方、どなたでも大歓迎です。
既存の枠にとらわれずに活動を広げていきたいと思っていて、どんなベクトルのお声掛けでも、ぜひ一緒に実現していきたいという気持ちで、私たちも全力で向き合います!
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。これからの未来創造部の活動を心から応援しています。
<INFO>
今年もSIWのアワード公募受付がスタート!|2024年10月16日(水) 23:59 〆切
『SIW IMPACT|GOOD IDEA / SHIBUYA GOOD ACTION』
>> リニューアルしたアワードの詳細はこちら