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『クリエイターじゃないですが、なにか?』みんなでクリエイトし、セカンドIDを持つ時代へ。【SIW2019レポート】

開催: 9.15(日) 渋谷ヒカリエ 8/COURT

“多様な未来を考える12日間”「ソーシャルイノベーションウィーク渋谷」
https://social-innovation-week-shibuya.jp/

「セカンドID I'm not a creator.」
2019年9月15日(日)19:30~21:00
渋谷ヒカリエ 8/COURT
<登壇>
株式会社博報堂ケトル クリエイティブディレクター
大木秀晃
リアル株式会社 代表取締役/クリエイティブディレクター
小橋賢児
一般財団法人渋谷区観光協会 代表理事
金山淳吾
+Friends

9月15日のSIWを締めくくるのは、小橋賢児さんの著書『セカンドID-「本当の自分」に出会う、これからの時代の生き方-』から名付けられたトークセッション。お酒や軽食も用意され、よりトークもカジュアルに進行。
飛び入りゲストが4名も登場し、来場者とも積極的に意見交換がなされるなど、形式張らない内容となりました。



冒頭は、タイトルである「セカンドID I’m not a creator.」に込められた思いを大木さん、小橋さん、金山さんが語ります。

「もともとはセカンドID。いわばファーストIDからセカンドIDはどう生まれ、派生していくべきなのか、というのをテーマにしたかった。そのサブタイトルとして大木くんが写真展をやったときの『I’m not a photographer.』を思い出したんです」(金山)



「クリエイティブの世界って、意外と排外的な部分がある。僕は趣味で写真を撮っているんだけど、専業のカメラマンじゃないってことで認められなかった。だから、『I’m not a photographer.』、日本語に訳すと『カメラマンじゃないですけど、なにか?』的な写真展を開いたんです」(大木)



「クリエイターって広告代理店の専売特許みたくなっているけど、世の中のすべての人がクリエイターになるべきです。誰もがそれぞれの人生をクリエイトするし、誰もが想像はするじゃないですか。その想像を創造に変えるのが大事」(小橋)

「だから、この時代誰もがクリエイターになれる。でも、クリエイターという職種は一部の人のものになっている。そんな意味を込めて、『クリエイターじゃないですけど、なにか?』というタイトルにしました」(金山)

その後、クリエイター談義で盛り上がるなか、はじめにWATOWA Inc.代表の小松隆弘さんがゲストで登場。つづいて、和歌山県でしらすづくりをする山利の七代目である木村尚博さん、ソーシャル経済メディア「NewsPicks」内で話題となっているコミュニティ「母親アップデート」の代表である鈴木奈津美さん、ソーシャルサーカス・ワークショップを展開するNPO団体SLOW LABELの野村梢さんといった豪華な面々が登壇して、計7名によるトークセッションとなります。



「クリエイティブはモノを売ることじゃなくて、気づきを与えること。ある知人に『お前はいいよな、クリエイターで。俺はお金を稼ぐことしかできない』って言われたんですよ。でも、僕からしたらお金を稼ぐことってすごくクリエイティブ(笑)。それを指摘したら、本人も初めて気づいたようで、実際はクリエイションしている人が多いはず。
例えば、子どもを生んで、育てるってすごくクリエイティブだと思う」(小橋)

「それはすごくわかる。僕も子どもが2人いますが、まず名前を付けるじゃないですか。これは一生モノのコピーライティングですし、すごくクリエイティブな行為なんですよね」(金山)

「クリエイティブはいい意味で変化している。例えば、これまでは表層的なもの、人間に例えると、ファッションや髪型、メイクを創造することがこれまでのクリエイティブだったけど、いまは骨格とか背骨。つまり仕組みそのものを変えることがクリエイティブになってきている」(大木)



それぞれが積極的にクリエイティブ、クリエイションの再定義をしていく中、小松さんのヒゲの長さでトークはさらに盛り上がります。人生で初めてヒゲを伸ばしている(その期間なんと7カ月!)小松さんは、これによって人に与える印象や出会う人にもちょっとした変化があると言います。
このようなざっくばらんなトークからクリエイション、クリエイティブは、どこにもあり、それによってなにかの気づきや変化が生まれる——という話題にまとまっていきます。

そして、セカンドIDについては、金山さんが音楽プロデューサーの小林武史さんを例にこう説明します。

「料理は、自分で食材をキャスティングして、調理して、盛り付け(デザイン)もする。美味しくなかったら、評価もされる。日々の生活のなかにクリエイティブはいっぱいありますよね。
僕が小林武史さんのもとで修行をしていた時ですが、小林さんが『ap bank』という環境事業を始めるんですよね。その資金はライブイベントでまかなうシステムですが、限られた数しかできないから、資金が厳しくなるんです。すると、オーガニック食材を使用したカフェをスタート。次いで、野菜も自分で作りたいといって農園まで始めたんです。音楽家が農業をやっているって不思議なイメージですけど、物語はつながっている。セカンドIDとはこういう概念だと思う」(金山)



さらに大木さんはこう続けます。

「子どもの頃は、小学生、中学生、高校生と自然とアップデートしていく。じゃあ、社会人になったときどうするのか? 自分のファーストIDはどの時点で決まっているのか? 常にアップデートしていくというマインドセットは非常に重要で、それが人生を豊かにしてくれる。
そういった意味ではエラーが起きないとダメですね。想定内のことばかりだと思考が停止するんです。自分の能力では処理できないエラーが起きることが重要です」


お酒の力もあったのか皆さん饒舌で、書ききれない面白い発言がたくさん飛び出しました。最後は来場者も交えての、ネットワーキングタイムで、来場者のみなさんが気軽に挨拶や雑談を交わしたり、登壇者と親交を深めました。
この時間の出逢いから未来のイノベーションが生まれるかもしれませんね。

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