report_img
石山アンジュ インタビュー|社会をより良く変えるためのあたらしい「信頼」のかたち

開催: 9.15 (日)「信頼のこれから。ひとと社会の信頼を再定義する」

ソーシャルイノベーションウィーク渋谷2019のなかで、渋谷ヒカリエを会場に1週間にわたり50以上もの、様々なジャンルのトークセッションが一挙に催されるカンファレンス「DIVE DIVERSITY SESSION」

開催を前に、登壇者のひとり、石山アンジュさんに、そのメッセージの一端をうかがいました。


石山アンジュ
シェアリングエコノミー活動家(内閣官房シェアリングエコノミー伝道師、シェアリングエコノミー協会事務局長)、他ミレニアル世代のシンクタンク、Public Meets Innovation代表理事。また血の繋がらない拡張家族Ciftメンバー。NewsPicks WEEKLYOCHIAI レギュラーMCなど幅広く活動。著書「シェアライフ-新しい社会の新しい生き方」



——「DIVE DIVERSITY SESSION」で伝えたいことは?

「信頼のこれから。ひとと社会の信頼を再定義する」というタイトルでお話ししようと思っています。
社会的な対立や断絶というのは「信頼の不和」から起きていると私は思っていて、「信頼」というものをいま改めて再定義する必要があるのではないか、と考えています。

時代に沿って「信頼」のあり方は変化しています。
たとえば、昔は隣家同士でお醤油の貸し借りがありました。その醤油にはメーカーのラベルも貼っていなくて、ただの壺に入ったものを貸し借りしていたとして、じゃあ「この醤油には毒が入っていない」ということをどうやって担保したか——。
昔の人たちの社会には、“目利き力”というものがあったんですよね。それはつまり自分自身で「信頼」を見極める力。第三者的な指標に頼らなくても、自分と相手の関係値のなかに独断で「信頼」を見出して、お醤油の貸し借りをすることが出来たわけです。

それが戦後から、「信頼を制度に預ける時代」に代わっていきました。この醤油に毒が盛られていないかどうかは、「国が定めた基準に則ている醤油かどうか」や、「上場企業のラベルが付いた醤油かどうか」に判断基準を委ねるようになっていってしまいました。信頼のパラダイムシフトが起きたわけです。

それを「第2の信頼」とすると、さらにいま、第3のかたちが出来上がってきています。それは、テクノロジーによる信頼です。

たとえば口コミ評価サイトなどがいい例で、この醤油に毒が盛られていないかどうかは、それを味見したWEB上の1000人の総合評価の星の数によって判断するようになってきている。それがいまの社会の「信頼」のあり方なのだと思っています。



こうして、信頼の根拠を相手との「関係」のなかにではなく、「第三者的な指標」のなかに見出すように多くの人がなっていくことで、社会のありようもまた変わっていきます。
それが表層化した例として、たとえばいまの社会では、他者とのあいだに境界線を引いて生きることが簡単になっていると感じます。他者との関係に重きを置かず「私“さえ”良ければいい」というスタンスに陥りやすい。それが社会的な対立や断絶を生むひとつの原因になっていると、私は考えています。


——そこで、石山さんはどのようなイノベーションが起こるべきだと考えますか?

さらにその次の、「第4の信頼」を作ろう、というのが私からのメッセージです。
テクノロジーの進化はたぶん止めることはできないけれど、一方でローカルな人との結びつきのなかに生まれる“目利き力”というのはやはりとても重要だと思っています。

でももう昔みたいに、限られた地域コミュニティの中だけで生きられるわけじゃないですよね。もう、繋がることが前提になってしまっているから、「ローカルな信頼」には戻れないと思います。

テクノロジーの進化による「信頼」の変化は受け止めつつ、しかしかつてローカルにあった“目利き力”という「信頼」のかたちを個々人が取り戻すという、両軸でのアップデートをしていかなければいけない。
どうしたら社会をより良く変えられるのかということのカギは、そうして「信頼を改めて再定義すること」だと思っています。



DIVE DIVERSITY SESSION
石山アンジュ
「信頼のこれから。ひとと社会の信頼を再定義する」

2019.09.15(日) 15:30〜16:15
渋谷ヒカリエ 9階 ヒカリエホール A
https://social-innovation-week-shibuya.jp/events/event/575/

レポート一覧に戻る

SHARE