フェアプレイの精神が、DEIが認められる社会づくりの鍵に——佐伯夕利子/Nancy Elder/松岡けい

スポーツとDEI (Diversity, Equity & Inclusion) の今とこれから
11月13日(金)19:00-20:30
@SHIBUYA QWS

<登壇>
公益社団法人 日本プロサッカーリーグ 理事
佐伯夕利子
DAZN Group Chief Communications Officer
Nancy Elder
DAZN JAPAN Head of Communications & PR
松岡けい

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近年、スポーツシーンでも叫ばれるようになっている「DEI」という概念。Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)の3つの頭文字を合わせた言葉です。とりわけBLM(ブラック・ライヴス・マター)運動に呼応したテニスプレイヤー大坂なおみさんのSNSでのクリアな発言もあり、“近年、叫ばれるようになった”というよりは、むしろスポーツがきっかけとなり、多くの人が“自分ごと”として認識するようになったとも言えます。
スポーツの視点から、DEIを考えるこのセッション。Jリーグの理事であり、スペインでサッカー指導者としても活躍する佐伯夕利子さん、スポーツ専門動画配信サービスを手がけるDAZNグループのCCO、はじめての女性取締役であるナンシーさん。それぞれが住むスペインとNYをオンラインで結び、DAZN JAPANのPRである松岡けいさんが聞き手役になり進行されました。

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佐伯さんは、女性であり、居住するスペインではアジア人、つまり無意識にもマイノリティという言葉で表現されがちな立場にあります。しかも仕事は、男性社会であるサッカー界での指導者。「マイノリティに属していた意識はある」とも話します。「ただ、スペインで指導者のライセンスを取得しようとした際、ディレクターに“女性でも大丈夫か?”と尋ねたことがありました。そのときディレクターが言ったのは、“その質問をする必要はあるの?(つまり、問題ではない)”と。その逆質問に希望を感じて、男性社会のサッカー界でやってこられた」。つまり、「エクスクルージョン(排他性)は意図的。インクルージョンは意識の問題」だ、と。

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一方、ナンシーさんは、「広い視点で歴史を省みると、これまで、アスリートがいかに社会の媒介になってきたかがわかる」。そして、ボストンマラソンへの女性参加が認められるきっかけとなった、キャサリン・スウィッツア一など自身のヒーローを例にあげながら、アスリートが社会変革の鍵になってきたことを強調しました。
加えてDAZNでのDEIへの取り組みについても紹介。DAZNではスタッフが自らボランティア組織をつくり、DEIの啓蒙活動などを展開しており、それは社内の人事や組織体制のアップデートにも繋がったと言います。

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ちなみに、Jリーグは、地域にホームを持つプロチームのリーグ、つまり地域に根付いたチームの集まり。佐伯さんも「Jリーグでは、地域のために年間2万5000を超える社会活動をおこなっている。社会のために、フットボールをツールにして役立ちたいと思っている」。セッション中には、JリーグとDAZN、スポーツ機構と放送企業がスポーツを共通言語に、ともにDEIを実現するためのコラボレーションについても、議論されました。
ふたりが言うことには、“もともとスポーツはフェアプレイを前提としたもの”。人種民族を超えて、多様な人がひとつのピッチに平等に立ち、またこれまで厳しいトレーニングを重ねてきた相手にリスペクトを持つ。そういう精神がスポーツの基盤にある、と。そして「そのスポーツを通じて、DEIの重要性を多くの人に伝えていきたい」——佐伯さん、ナンシーさんともに力強く、そう話してくれました。

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