「Beyond New Normal 〜生活者とともにつくる、都市の未来〜」
11月13日(金)17:00-18:30
@SHIBUYA QWS
<登壇者>
ヴェオリア・ジャパン株式会社 代表取締役会長
野田由美子
WILLER株式会社 代表取締役
村瀬茂高
渋谷区長
長谷部健
株式会社博報堂 ミライの事業室 室長
吉澤到
三井物産株式会社 エネルギーソリューション本部 NewDownstream事業部長
松本陽介
一般財団法人 渋谷区観光協会 代表理事
金山淳吾
モデレーター:
株式会社博報堂 ミライの事業室
大家雅広
都市を取り巻く環境がいま大きく変化しています。気候変動問題や、人々の多様化する嗜好。働き方や教育、医療、行政サービスにおけるデジタル化の進展。コミュニティ意識の変化。都市の課題がますます複雑化する現代、未来をより良いものにアップデートしていくために必要なのは、その街に関わる企業や行政、そして、生活者一人ひとりがつくりたい未来を考え、ともにつくるという視点です。
本セッションでは各界のリーダーをお招きし、これからの都市と産業のあり方について議論していきます。
世界の人口の約半分が都市部に住んでいる現代、新型コロナにより都市のあり方を根本から変えていかなければならなくなりました。世界中で様々なスマートシティプロジェクトが動いていく一方で、失敗してしまう事例も多くあると博報堂・吉澤さんは言います。社会課題を企業や行政だけで解決していこうとすると、主役は市民だということを失念してしまうのだとか。
「パーパス、信頼、楽しさの3つの軸で、市民にスマートシティ化へ参加してもらわなくてはいけません」
その思いは、博報堂が開発し、三井物産と実証実験を進めている「shibuya good pass」という新しいまちづくりプラットフォームに活かされています。
「“生活者とともにつくる”というのは難しいけれど、極めていかないといけない」と長谷部渋谷区長。スマートシティとしてのまちづくりが推進されている中で、都市データを使って生活を豊かにしていくことが必要不可欠です。
「まちづくりの主役はみなさんなんです。渋谷のカルチャーは行政が作ったものではない。でも、行政が関わることでより発展していく部分もあると思うので、協力して活性化させていただけると嬉しい」
一方で三井物産・松本さんは「ついついプロダクトアウトの発想になってしまうのが難しい」と語ります。いかに生活者ドリブンで産業間の垣根を取り払い、生活者に寄り添ったサービスづくりをしていくかが課題です。
また、ヴェオリア・ジャパンの野田さんは「コロナによって街に対する愛着が芽生えた」のだそう。自宅の近所にしか行くことができないという特性上、町を歩くことで自然や文化の新たな側面に出会えたのだとか。これは、これからの生活者のNew Normalとなっていきそうです。
「shibuya good pass」のうちの一つ「shibuya good ride」は、小型車やマイクロバスをアプリで呼び、「地域でのチョイ乗り移動」に活用できる月額定額で乗り放題の交通サービスです。WILLERの村瀬さんは、この取組で収集したデータをどのように活用できるのかも重要だと語り、「自宅2kmの生活圏」の移動を変えていくことがコミュニティを広げることに繋がると話しました。
今までの街のアップデートは、多くの場合企業の取り組みから生まれてきましたが、これからは市民発案によって企業の力が使われるということもあるのではないでしょうか。よりクリエイティブな課題解決法を見つけ、仲間を集めながらより良いまちづくりをしていく、そんなことの実現に期待が持てます。