かたちは変われど、人と人の感情の交換にこだわり続ける。コミュニケーションビジネスの真髄——石井公二/金山淳吾

「コミュニケーションビジネスの未来図」
2020年11月10日(火)
@オンライン配信

<登壇>
株式会社ミクシィ 執行役員 次世代エンターテインメント事業本部長
石井公二
一般財団法人 渋谷区観光協会 代表理事
SIW プロデューサー
金山淳吾

「ミクシィ」という会社名を聞いて、思い浮かべるサービスはなんでしょうか? そのイメージは世代によって異なるかもしれません。SNSサービス「mixi」でしょうか? もしくはスマホアプリ「モンスターストライク」でしょうか? もしくは近年同社が注力しているスポーツ事業を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
これらは一見、まったく異なるサービスに感じますが、それぞれに共通した確固たる哲学のもとに提供されています。

そのキーワードとなるのが、「コミュニケーションビジネス」です。本セッションでは、株式会社ミクシィの執行役員である石井公二さんとSIWプロデューサーの金山が、同社のサービスを紐解きながらコミュニケーションビジネスの在り方についてディスカッションを繰り広げました。

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現在、ミクシィはスポーツベッティングサービス「TIPSTAR」やスポーツギフティングサービス「Unlim」など、5G時代における競合のコミュニケーションビジネスとは一線を画すモデルを展開しています。
例えば「TIPSTAR」は、365日配信される競輪のレースに参加しますが、自分では予想しなくてもよく、「TIPSTAR」内での3チームの予想に乗っかってベッティングをして仲間と一緒に楽しむという遊び方も提案しています。そのユニークさに対して、金山が切り込みます。

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金山「『TIPSTAR』は、競輪という公営競技事業に参入している。しかも、競輪なのに基本無料でお金をかけなくてもよく、予想をしなくてもいいというシステムになっていて、当初は招待制だった。『Unlim』は、スポーツ選手を個人単位で応援するプラットフォーム。ミクシィはコミュニケーションビジネスをどう捉えているのでしょうか?」

石井「弊社がもっとも大切にしているのは“フレミリー”。これはフレンドとファミリーを掛け合わせた造語で、友達や家族内で行われるコミュニケーションを指しています。ですので、SNSの『mixi』も招待制でしたし、『モンスターストライク』も実際に人と会わないといけない仕様にしました。本当の体験や共有というのは、友達や家族と共に成り立つ、という考えがもとになっています」

さらに「最初に大きなプロモーションをしない」ということもミクシィでは徹底しているとつづけます。その上でもっとも純度の高い共感は、「面白いから一緒にやらない?」というコミュニケーションだと断言します。そして、そのコミュニケーションが行なわれるのが、まさにフレミリーであるとしました。

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現在、ミクシィの注力事業となっているのがスポーツ。スポーツ業界に進出した狙いを石井さんはこう説明します。
「『モンスターストライク』の成功で、エンターテインメントを通して生まれるコミュニケーションの可能性に気づきました。共闘、共感などがSNSでどんどんと上がってくるんです。あの熱量はスポーツに通じるし、あれほど多くの人が同じ時間と感情を共有できるものはなかなかない。スポーツとコミュニケーションを掛け合わせることで生まれるポテンシャルが非常に魅力的に感じました」

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「コミュニケーションビジネスだとどうしてもSNSという発想にいってしまい、スポーツは思いつかなかった」と感心する金山に、石井さんはこう続けます。
「我々のコアバリューは、“みんなで一緒にワイワイ楽しむ”なんです。ゲームとしての価値を追求していたら、『モンスト』はあそこまでのコンテンツにはならなかったと思います。ゲームではなく、コミュニケーションをサービスにしているからこそ勝てたと判断しています。
みんなで楽しみたいという価値は普遍なんですね。コミュニケーションは情報なのか、感情なのか、という議論もありますが、感情を交換する方が絶対に楽しいんです」

株式会社ミクシィの様々なサービスの根底にあるのが、“感情の交換”ができるプラットフォームづくり。テクノロジーが進化して便利な時代だからこそ、人々が根源的に求めている共感や感動が体験できるコミュニケーションこそが、ビジネスの成功のカギとなり、またさらにユーザーひとりひとりの幸せな日常にも寄与できるのかもしれません。

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