エージェントとしてのAIとともに、優しい社会の未来を描く——山田胡瓜/三宅陽一郎

「Society X : 分断から包摂へ~AIとつくる新しい社会~」
11月10日(火)17:00-18:00
@SHIBUYA QWS

<登壇>
漫画家 山田胡瓜
ゲームAI開発者/立教大学人工知能科学研究科特任教授/日本デジタルゲーム学会理事
三宅陽一郎
モデレーター:
一般財団法人 渋谷区観光協会 代表理事 金山淳吾

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「勉強ロック」でアフタヌーン四季大賞を受賞しデビュー。AIが発達し、人権を持つロボットに対して医療サービスを行なう医者の物語を描いたSF漫画「AIの遺電子 Blue Age」を別冊少年チャンピオンで連載している山田胡瓜さんと、ゲームAI開発者であり、立教大学人工知能科学研究科特任教授でもある三宅陽一郎さんを迎え、AIとつくる未来について議論していきます。

AIというと、一般的に思い浮かぶのはドラえもんのようなロボットかもしれません。でも実はそのようなAI開発は少数で、実際には課題解決のための機能型のAIがほとんど。そんな中、AIが人の仕事を奪うというのはよく言われますが、実際にはどうなのでしょうか?
三宅さんは、「日本は少子化が進んでいくので、仕事が奪われるというよりも奪ってもらわないといけない。ただし、ある程度明確な課題がないとAIを動かすことはできないので、人間のように雑多な仕事をさばくことはできません。ドラえもんのような自立型AIはまだまだ難しい」と語ります。
また、山田さんは「機能型AIが先に社会に入ってきています。でも人間の仕事が全部可能なわけではないので、業務の効率化に使用していくのが良いですね」とのこと。

SAI9720 エージェントとしてのAIとともに、優しい社会の未来を描く——山田胡瓜/三宅陽一郎

そして話題は『私たちは、AIと共存するためにどんなスキルを身につければいい?』というテーマへ。
機能型AIとは、人間の能力を拡張するためのものであり、そのための司令塔として人間が必要となってきます。課題に対する解決法や、フレームをデザインするのは人間の力であるから、AIに課題を与える能力が今後必要となってくるでしょう。

「現在、情報化社会が進むことによって、いたるところで衝突がおきてギスギスした社会だなと感じています。人と人って、ものの言い方によって受け取り方が変わったりするから、その間にAIが入ると衝突が緩和されるんじゃないかな、と。言いたいことをうまくAIが翻訳して伝える機能があれば、どんな人ともコミュニケーションを取りやすくなるのではないでしょうか」。AIとコミュニケーションに関して、山田さんは未来の姿を描きます。
それに対し、三宅さんもその意見に賛同。
「これまでの技術では、人と人の間に入れませんでした。でも、AIは入れます。これって、人間関係を変えられる何千年に一回のチャンスかもしれません。インターネットは地球の裏側の人ともすぐに繋がれる世界で、インターネット社会を人間だけで運用するのは荷が重すぎます。30年後には『よくAIなしでネットでコミュニケーションしてたな!』って思えるようになるかも」

SAI9729 エージェントとしてのAIとともに、優しい社会の未来を描く——山田胡瓜/三宅陽一郎

議論は、エージェントとしてのAIを使いこなして仕事やコミュニケーションを行うことで、よりスムーズな社会になるのではという結論に至ります。これからのAIのさらなる発展を願いたくなるようなセッションとなりました。

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