「クリエイティブビジネスの未来図」
11月9日（月） 14:00-15:00
@SHIBUYA QWS

※当セッションのアーカイブ配信はございません

＜登壇＞
株式会社文鳥社 代表取締役
株式会社カラス 代表取締役
株式会社エードット 取締役副社長 CBO
牧野圭太
The Breakthrough Company GO 代表取締役 PR/CreativeDirector
三浦崇宏
株式会社博報堂ケトル 代表取締役共同CEO
太田郁子

クリエイティブビジネスの最前線で活躍する3者の刺激的なトークセッション。
冒頭、「クリエイティビティ、クリエイティブディレクターという言葉は、広告業界ではよく耳にするものだが、世の中にはまだまだ浸透していない。でもビジネスだけでなく、政治や地方自治の場にももっとクリエティビティという概念は必要だと思っている」と切り出したのは牧野さん。

対して、『クリエイティビティとは?』というトークテーマにおいて「クリエイティビティとは、非連続の成長・変化を生み出す力」と三浦さんは語ります。「クリエイティブを産業にするということは、あらゆる既存産業にクリエイティブの力を注入し、エンパワーメントすること」、「クリエイティブとは0を1にする力、99を100にする力」、「可能性を想像し、ちょっと未来を想像し、他者の感情を想像する」という、クリエイティビティの3つの定義を挙げました。

太田さんはクリエイティビティを「相反するものを同時に解決する力」と表現し、「企業の課題は二律背反しているが、それを同時に解決するものを出してこそ、クリエティブの力」だと自身が考えを示しました。
一方、牧野さんはこう定義します。「クリエイティブとはユーモアを感じるものであり、人間の温度感などが人に対してどういう風に響くのかを考えていくこと」

そして続いてのテーマは『クリエイティブディレクターとは?』。
太田さんが「その定義について実は悩んでいる」と切り出しますが、それに対して三浦さんは「概念としてのクリエイティブディレクターと、職能としてのそれがある」と言います。「概念としてのクリエイティブディレクターとは、非連続の変化の責任者であり、市長や経営者がそれにあたる場合もある。一方、職能としてのクリエイティブディレクターとは、クライアントの事業の課題を何らかの形で解決する能力を持つ人」と説明。そして、これからのクリエイティブディレクターは事業の経営を伸ばす実績を作っていかないといけないというのが三浦さんの考えです。

『広告におけるクリエイティブビジネスとは何か?』というテーマでは、牧野さんが「広告で培ったクリエイティビティを色々な分野にインストールしてお金にすること」という考えを示した一方で、三浦さんは「思想、行動、評価基準を言葉やデザインの力で変えることがこれから大きなビジネスチャンスになっていく」、太田さんは「思いついたアイデアだけがクリエイティブではない。実装するまでがこれからのクリエイティブ」と続けました。

最後に『どうすればアイデアや企画を生み出せるようになるのか?』についても3人で意見交換。太田さんは「インプットをたくさんして、課題解決の方程式を溜めておくことが重要」と語ります。牧野さんは「相反する2つの概念が必要。知っていることだけでなく、知らないことも大事。知りすぎるとアイデアは出てこないこともある」と答え、三浦さんはそれに対して「それを切り抜けるのに大切なのは仲間への信頼。自分ができないことでも一旦仲間を信じて無理を言ってみる」と自身の意見を付け加えました。

三者三様、それぞれに実践のなかで得た気付きがたくさん共有されたセッション。ひとことで「クリエイティブ」と言っても、自分はそれを具体的にどう捉えていて、どう変化させていくべきなのか、あらためて自身に問い直してみる必要性を感じ背筋の伸びた視聴者も多かったのではないでしょうか。

＜INFORMATION＞
三浦崇宏
『超クリエイティブ 「発想」×「実装」で現実を動かす』