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地域とスポーツがよりよく結びつくためにメディアにできること ——「スポーツが引き出す地域の可能性」

開催: 9.17(火) 渋谷ヒカリエ 8/COURT

“多様な未来を考える12日間”「ソーシャルイノベーションウィーク渋谷」
https://social-innovation-week-shibuya.jp/2019/

Meet-Up「スポーツが引き出す地域の可能性」
2019年9月17日(火)19:00〜21:00
渋谷ヒカリエ 8/COURT
<登壇>
ラグビー元日本代表
株式会社コーディネーション・アカデミー 代表取締役
齊藤祐也
ダンサー
BBOY KENTARAW
サンロッカーズ渋谷 広報、地域・行政担当
西祐美子
<ファシリテーター>
スマートニュース マーケティング コンテンツ開発 担当ディレクター
松浦茂樹

よりよい街づくりのために、スポーツ振興をその手段のひとつに掲げる渋谷区。スポーツとは、街にどんな魅力を還元できるものなのでしょうか。



渋谷をホームタウンとするバスケットボールチーム:サンロッカーズ渋谷の西さんは、
「サンロッカーズがあることでシティプライドが醸成されたらいいなと思います。渋谷区の皆さんがサンロッカーズを通じてつながれる、ということが、街においてのチームの役割だと思っています」と語ります。



KENTARAWさんが所属するTHE FLOORRIORZは、神奈川県川崎市の溝の口が発祥のブレイクダンスクルーですが、「世界大会で優勝した功績から川崎市の産業大使に任命してもらい、以降、市のイベントにも多数参加しています。2024年のパリ・オリンピックで『ブレイクダンス』が種目化するといわれているなか、全国の行政と協力しあっての普及活動が大切になってきます」と説明。

また、ラグビー元日本代表の齊藤さんにこんな質問。
「ブレイクダンスと同じく、ラグビーも詳しいルールまではあまり知られていないのでは。一般層にまで幅広く認知されるために活動していることはありますか?」



齊藤「地道な活動をたくさんしています。いろんなところにいって、(ラグビーをするのでなく)ラグビーボールを触ってもらうとか。たとえば災害の被災者のもとを訪れて、ラグビーボールを渡して興味を持ってもらう。それだけで元気を与えることができたりもするんです。ラグビーをしなくても、我々ができることは意外と多い。
 また、各スポーツ同士が競技の枠を超えてつながっていくことも大切ですね」

ファシリテーターを務めたのは、多様なメディアが集まるプラットフォームである『スマートニュース』の松浦さん。そこで、地域とスポーツがよりよく結びつくためのメディアの力についてトークは移行します。

KENTARAWさんは「ダンスシーンはいま、ダンスのイメージを良くしようとしすぎている部分もある。ストリートダンスは元々ギャングの文化から始まっていて、そこがかっこいいという面も本当はあるんです。そういった側面をどううまく露出していくかというのはこれからの課題」と語ります。「メディアの皆さんにもアドバイスを仰いでいきたいです」。

一方、西さんは「表面的な部分だけ取り上げられて本質が取り上げられない、というストレスはあります。いまは八村塁選手の活躍がメディアでよく取り上げられますが、それに合わせてBリーグにも注目してほしい」と言います。



松浦さんは「報道される側は、切り取られ方をより深く考えることで成長につながる」こと、また「報道する側は、その時々で飛びついてニュースを“消費”するのではなく、連続性をもって取り組むべき」であることを指摘。

齊藤「日本人は旬なものにすぐ飛びつくけど、引くのも早い。4年前、五郎丸選手の活躍や南アフリカ戦での勝利で、ラグビー人気に火がついた。メディアの有り様によってはそれをもっと継続できるチャンスだったのにな、といま思うことはあります。
 日本はいろんなスポーツがあってぜいたくな国。それぞれの地域のなかでももっといろんなスポーツが継続的に盛り上がってもいいはずです」



最後に松浦さんはこう締めくくりました。
「これからのメディアの役目は、試合結果などのインフォメーションだけでなく、ストーリーを伝えること。
 地域には、その土地に根ざしたストーリーがあり、いろんなスポーツチームが地元にストーリーを落とし込んでいます。日本に住んでいて、縁もゆかりもないロンドンという都市に、地元チームの活動を通して思いれることができるみたいに。
 スポーツには地域の魅力を引き出す力があります。みなさんにはそれにもっと触れてほしいと思います」

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