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シティプライドをはぐくみ、エンターテインメントシティを目指して —— Meet-Up「公園空間がつくる新しい価値」SESSION 2

開催: 9.22(日) 渋谷ヒカリエ 8/COURT

“多様な未来を考える12日間”「ソーシャルイノベーションウィーク渋谷」
https://social-innovation-week-shibuya.jp/2019/

「公園空間がつくる新しい価値」SESSION 2
2019年9月22日(日)16:00〜16:50
渋谷ヒカリエ 8/COURT
<登壇>
株式会社オフィスショウ 代表取締役
池田省治
歌手、女優
小柳ルミ子
株式会社NTTドコモ スポーツ&ライブビジネス推進室長
馬場浩史
Perform Investment Japan株式会社 ヴァイスプレジデントアクティベーション
平田正俊
<ファシリテーター>
渋谷区観光協会 代表理事、渋谷未来デザイン プロジェクトデザイナー
金山淳吾

代々木公園エリアに、スポーツ・エンターテインメントの聖地となり、災害時には防災拠点にもなる、3万人収容規模のスタジアムパークをつくるという『SCRAMBLE STADIUM SHIBUYA』構想。
その中間報告を兼ねたトークセッション、後半となる「SESSION 2」では、よりエンターテインメントの側面に着目したトークが展開されます。



登壇は、数々のスタジアムの芝生整備などを手がける日本のピッチデザインの第一人者:池田省治さん。そして、言わずと知れた熱狂的なサッカーファンで、歌手/女優の小柳ルミ子さん。テック、特に通信技術の面でご意見をうかがいたいNTTドコモの馬場浩史さんと、スポーツのライブ配信事業の視点から語っていただく、「DAZN」を運営するPerform Investment Japanの平田正俊さんです。

渋谷が「エンターテインメントシティ」となっていくための、その中核をなす場所という意義をすると、スタジアムはどのようなものであるべきなのでしょうか。



池田さんは、サッカーの試合が行われない日にもスタジアムを多目的に活用し、且つ、天然芝のフィールドを万全に保つためのアイデアとして、「フィールドを出し入れできるスタジアムにすれば、芝生の下層にコンクリートの地面を作りコンサート会場としても、あるいは他のスポーツやイベントにも活用できる」と画期的な提案。「とにかくスポーツとエンタメの共存ができることが大切」



小柳「私はサッカー専用のスタジアムがいいんです。他の競技と共用のスタジアムだと、客席とサッカーコートの間に陸上のトラックがあったりして、選手の息遣いまで感じることができないんです」

池田「出し入れ式ならサッカーと陸上で別の地面を使うことになるので、コートとの距離は近いはずですよ!」

小柳「そうか!息遣いが感じられればいいんです!(笑)」



こうして和やかにトークは進みます。折しもこの日は、ラグビーW杯の真っ最中。
馬場さんはそこで既に試験的に始まっている、5G通信を活用した取り組みを紹介。
「観客は手元の端末で、複数の視点のカメラ映像を見ながら観戦することができます」
自席の位置や距離からではわからないこと(例えば、ファウルがあったかどうかなど)も、手元で目を行き届かせることができ、新しい観戦体験になります。
「さらに、スタジアムに来れなかった人のためにはその映像を低遅延で配信、大きい迫力ある映像でのライブビューイングなど、あらたな感動を生むことができます。通信は、情報を伝えるためのものから、エモーションを伝えるものになっていきます」



スタジアムで生まれた感動を、街全体でどのように共有するのか。
金山さんは「来た人が、その前後も含めて楽しめる設計が必要。街全体で祝祭感を生み出すためにも周辺の導線設計に期待したい」と語り、
平田さんは「働きながらソワソワするくらい、街にある熱量をもっと高めていくべき。渋谷ならそれができるはず」と言います。



そうして渋谷に住む人、働く人、遊びにくる人たちが街全体の熱量をあげていくために、興奮が冷めやらない街になるために、代々木公園ができることは何でしょうか。

馬場「シティプライドを感じられるアイコンが必要。スタジアムは渋谷の人たちみんながプライドを持てるようデザインされるべき」

平田「試合がない日にも市民が活用できるかどうか。主に平日に主婦やこどもたちが楽しめる構造が必要です」

小柳さんは終始、「なぜ渋谷にサッカースタジアムがないのか」「すぐにでも作って欲しい」と熱を込めて何度も語りました。そんな小柳さんに、金山さんからサプライズな提案が。
「小柳さん、『SCRAMBLE STADIUM SHIBUYA』構想の応援団長になってくれませんか?」
この提案に小柳さんはふたつ返事で「もちろん、やります!」と快諾。



これでスタジアム構想の実現へと熱量はさらに高まっていくことでしょう。
もちろん、気持ちの高まりだけでなく、多様で細かな要望や課題をひとつひとつクリアにしていくことも必要です。


セッションのあとは、金山さんから、同プロジェクトがこれまでの1年で行ってきた、各専門家や公園利用者などとのオープンディスカッションやワークショップの数々の実績を報告。そこで具体的にどんな意見が出たのかなど、来場の皆さんにシェアされる場が設けられました。



これらのディスカッション、ワークショップの模様のレポートや、一般の皆さんから寄せられた意見やアンケートの結果は、『SCRAMBLE STADIUM SHIBUYA』のオフィシャルサイトにて公開されています。



最後に、同プロジェクトの最新のイメージムービーをお披露目。
「今後は法的制限などの問題を解決しながら、2020年6月といわれる次期都知事選挙後を目安に、東京都へのプロポーザルを行っていきたい」と金山さんは語りました。

竣工目標は2027年。それまで一歩一歩、より多くに人にとっての理想的なスタジアム、理想的な公園を目指してこのプロジェクトは進んでいきます。


次回のオープンディスカッションは、10月24日、Jリーグ・名古屋グランパスエイトやプレミアリーグ・アーセナルFCで采配を振るったヴェンゲル元監督を招いて、渋谷・ヨシモト∞ホールにて開催予定です。

<SCRAMBLE STADIUM SHIBUYA オフィシャルサイト>
https://scramble-stadium.tokyo/

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