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ルールは時代や環境とともに変わる。イノベーションのためのルールとの向き合い方 ——「ルールメイキング思考」【SIW2019レポート】

開催: 9.20(金) 渋谷ヒカリエ 8/COURT

“多様な未来を考える12日間”「ソーシャルイノベーションウィーク渋谷」
https://social-innovation-week-shibuya.jp/2019/

DIVE DIVERSITY SESSION
「ルールメイキング思考」

2019年9月20日(金) 17:00〜17:45
渋谷ヒカリエ 8/COURT
<登壇>
ニューポート法律事務所 パートナー弁護士
齋藤貴弘
シティライツ法律事務所 弁護士
水野 祐

テクノロジーの発展によって様々なイノベーションがあらゆる業界で起こる現代。しかし、進化していく社会の中で既存の“ルール”、法律がその枷になることもあります。
イノベーションのボトルネックになるのはテクノロジーではなくルール。では、私たちはそれにどのように向き合うべきなのでしょうか?



ニューポート法律事務所パートナー弁護士の齋藤貴弘さんは、「ルールはあくまでフレーム、脱法的ではなく面白いものとしてどのように解釈して広げていくかを考えていたい」と語りました。

またシティライツ法律事務所弁護士の水野祐さんは「ルールをハッキングによって変えていく。ハックすることとはルールをアップデートしていくこと」だと言います。

スタートアップ企業や大企業が何か新しい事業に取り組む場合だけでなく、一般市民が楽しむファーマーズマーケットのようなイベントまで、既存の法律に照らし合わせた場合、行政と民間ではコンセンサスがとれないことがあります。

そういったことが起きた場合、行政は民間を縛りつける。そんな印象を持つかもしれませんが、水野さんは「今の世の中は行政と民間のプレイヤーの意思が合致することはかなりあり、以前よりも行政が話を聞いてくれるような時代になりつつある」と語ります。



続けて斎藤さんは「行政の方が日本の未来に対してリアルに課題感を持っている。実は新しいことをやらなければという意識は強い」と体験型観光を例に説明します。

ではルールを巡っての食い違いはなぜ起こるのでしょうか? その課題について水野さん。
「規制に対してどう向き合うのか? を考える必要がある。何らかのイノベーションが起こる場合、規制がしっかりあるとそれが障害になることもある。
 しかし、規制には意味があると考えながら実装の部分に着目してみる必要があります。カルチャーが発達していくとルールは古くなっていく。新しいものに対してルールをチューニングしていかなければいけません」



また「何か問題が起こった場合、声をあげないとみんながわからない。でもその時は“対立”ではなく“問題提起”にする必要がある」と続けました。

「“ルールは時代や環境とともに変わる”ということが前提として共有されていればいい。ルールという補助線を引いて、それが目的に到達するために有効なものだと捉える。そして、コミュニティにとってより良いものになるようにハッキング、メイキングしていくべき」(斎藤)



“ルール”を自分ごととして小さなことから大きなことまで考えていく。それこそがルールメイキング思考です。

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