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「地方創生×コト消費」のキーワードは、宝探し!? —「宝探し体験から街の新たな魅力を発見する」【SIW2019レポート】

開催: 9.17(火) 渋谷ヒカリエ 8/COURT

“多様な未来を考える12日間”「ソーシャルイノベーションウィーク渋谷」
https://social-innovation-week-shibuya.jp/2019/

DIVE DIVERSITY SESSION
「宝探し体験から街の新たな魅力を発見する」

2019年9月17日(火) 12:00~12:45
渋谷ヒカリエ 8/COURT
<登壇>
株式会社タカラッシュ 代表取締役社長
齊藤多可志
株式会社 タカラッシュ アカウントプランニング部 部長
高杉史郎

「地方創生×コト消費」のテーマは、すでに多くの事例があります。そのなかでも株式会社タカラッシュは、2018年度には135エリア、200万人以上を参加させる“リアル宝探し”イベントで注目を集めています。
このセッションでは、宝探しでどのように地方創生につなげていったのか、を株式会社タカラッシュの代表取締役である齊藤多可志さんと、同社・高杉史郎さんの2人が解説します。

齋藤さんは「世界中に宝を隠す仕事をしている」と紹介した後に、「“ワクワク”こそが“メンドクサイ”を超える原動力であり、人生は宝探しの連続である」と説明します。



もともと大手旅行代理店で働いていましたが、子どもの頃によく遊んでいた「宝探しごっこ」の魅力こそが地方の魅力を伝える有効な手段になるのではないか、と思い立ち、株式会社タカラッシュを創立。宝探しが地方創生に有効である理由について、子どものように熱っぽく、こう語ります。

「参加者はいくつかの暗号と地図を頼りに、街を探検することになります。宝探しの道順、プロセスは、自治体の人が知ってほしい観光名所を通るような仕組みにします。歴史的なスポット、名産品が買える場所、景勝地や人々とさまざまですが宝探しをしていると、その土地の魅力に触れていくことになります。つまり宝探しをしながら、その土地土地の知られざる魅力(宝)も探すことになる。景品も、その土地のホテルの宿泊券だったり、名産品にしています」(齋藤)



宝探しも目的によって内容は異なります。冬の閑散期にも観光に来てもらえる魅力あふれるコンテンツを求めていた神奈川県藤沢市江ノ島は、五頭竜の伝説をもとに毎年「エノシマトレジャー」を開催。来年で15年目を迎え、今年は3万人以上が参加し、冬の江ノ島の名物となりつつあります。

「地方創生を目的とした宝探しの場合は、自治体の協力は不可欠になります。土地のことをいちばん知っているのは自治体の方ですので、どう街を盛り上げたいのか、どういう魅力があるのか、については何度もコミュニケーションをとります」(齋藤)

例えば、広島県大崎上島町では、島民の方が全員協力し、キャストになるという手法が作用。島民の方とのコミュニケーションを通して宝探しのヒントが得られたり、ゲームの通貨が飲食店で使用できるなど“リアルRPG”の世界観を実現。大きな話題となりました。



つづいて官民連携の好例として滋賀県を挙げます。
「自治体の観光予算は限られています。そういったケースで、官民連携で実現したのが滋賀県。滋賀トヨペット株式会社も地元を盛り上げたいという強い思いがあり、行政と連携して宝探しイベントを実現できました」(齋藤)

コト消費と地方創生の成功例を次々と生み出している株式会社タカラッシュ。“ワクワク”が“メンドクサイ”を超えたとき、参加者がSNSでシェアをしてくれ、翌年には必ず参加者は増えると断言します。

2019年11月にはインバウンド向けに、渋谷区で宝探しイベントを予定しているとのことなので、海外からの観光客にも宝探しに熱狂させながら、渋谷区の知られざる魅力を伝えてくれるはずです。

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