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渋谷は多彩なアート・カルチャーの受け皿になりうるか —「アートで渋谷をアップデートする」【SIW2019レポート】

開催: 9.15(日) 渋谷ヒカリエ 8/COURT

“多様な未来を考える12日間”「ソーシャルイノベーションウィーク渋谷」
https://social-innovation-week-shibuya.jp/2019/

セカンドID I'm not a creator.
「アートで渋谷をアップデートする」

2019年9月15日(日)16:00〜17:00
渋谷ヒカリエ 8/COURT
<登壇>
株式会社スマイルズ 代表取締役社長 遠山正道
博士(芸術学)独立行政法人国立美術館理事 太下義之
東急株式会社 沿線生活創造事業部 エンターテインメント戦略グループ 兼 渋谷開発事業部 開発計画グループ 課長 寄本 健
シブヤピクセルアート実行委員会 実行委員長/スリーシックスティ・チャネル株式会社 代表取締役 坂口元邦

70軒以上のアートギャラリーや美術館があり、またシブヤ芸術祭をはじめ、デザインやアートイベントも毎年開催——渋谷は、アートのコンテンツが豊富な街です。

この「アートで渋谷をアップデートする」と題したトークセッションでは、いわゆるファインアートに限らず、いかに渋谷が、ストリートから生まれ出るアート的な豊富なクリエイションの受け皿になりうるかについて、意見交換が行われました。



まずは太下さんが、近年のビッグトレンドのひとつで、国内外で盛り上がっているアートイベントについて、事例を交えながら紹介。

「源流にあるものは、ヨーロッパのビエンナーレ(2年に一度開かれる芸術祭)とトリエンナーレ(同じく3年に一度開催)。特徴的なのは、一部の美術館などの施設を拠点にしながらも、屋外空間を使い、広いエリアを舞台にしている点。観客や地域との関係性に重点を置いたアート作品が多く、地方創生や観光政策の一般にもなっています」と言い、ストリートから多彩なカルチャーが生まれた渋谷から、そうした新しいアートフェスやプロジェクト型のコンテンツの創造地になる可能性を示唆。



渋谷のまちづくりに関わる寄本さんは、「渋谷には、創造発信拠点となるべくソフトの拡充をしていこうという流れはありました。ただ、それでもまだクローズド。より街全体に広げていこうというのが最近の課題」。



自身の会社スマイルズを一作家ととらえ、「瀬戸内国際芸術祭」や「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」など国内のアートイベントに参加している遠山さんは、
「企業や個人が世の中に関わったり、自身のことを発信したりしようとするとき、アートを手段にするのは“アリ”。いろんなカルチャーがあって、純粋なファインアートのしきたりにのらず、メジャーではなくインディーでオルタナティブなことを実現可能にするのが渋谷」。



また寄本さんは、よりアートを街全体に日常的に落とし込むためには、「育成する力が街にあるかどうかも大切。つまりは、エリアマネジメントし、イベントや育成の自律的な仕組み、エコシステムを構築すること。都市空間のなかにアートをインストールするのではなく、街がアートを生み出す土壌にならないといけない」と話しました。

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