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“正解”よりも“納得解”を出せる人になるために —「AI時代、子供に何を学ばせるか」【SIW2019レポート】

開催: 9.15(日) 渋谷ヒカリエ ホールA

“多様な未来を考える12日間”「ソーシャルイノベーションウィーク渋谷」
https://social-innovation-week-shibuya.jp/2019/

DIVE DIVERSITY SESSION
キーノート「AI時代、子供に何を学ばせるか」

2019年9月15日(日)14:15〜15:00
渋谷ヒカリエ ホールA
<登壇>
教育改革実践家 藤原和博

教育実践家、藤原和博さんの公演は、来場者に「僕が似ている有名歌手は誰か」を一斉に答えさせることから始まりました。ある人は「さだまさし」。ある人は「谷村新司」。大切なのは、隣の人に答えを合わせるのではなく、自分が思ったことを大きい声で素直に言うこと。(隣の人と同じ答えを言わなければダメだという)“正解の呪縛”から逃れる儀式だと藤原さんは言います。



トークのテーマは「AI時代に子どもに何を学ばせるか」。言い換えれば、「地球の50億人がスマホで繋がり、またAIがあらゆる正解を瞬時に導き出すこの時代に、どのような能力を身につけるべきか」。藤原さん曰く、大切なのは、情報処理力以上に、情報編集力を養うこと。

「学校では、いかにスピーディに正解を答えられるかが重要視されていましたが、これからは正解がなくなる時代。情報の扱いのうまさがカギになってきます」



このセッションでは、大半の時間がワークショップに費やされました。まずは来場者は3〜5人組のグループになり「世の中で“白”が当たり前だと思われているもの」を1分間、みなで列挙し、そして同様に「“黒”になることで新しい価値が生まれるもの」を1分間で挙げていきます。

このゲームで来場者が実感したのは、グループの誰かがひとつ答えることで、新しい発想が生まれやすくなるということ(誰かが「豆腐」といえば、同じ白い食べ物という点から「大根」がイメージしやすくなり、また白いものを先に挙げることで、黒いものも“掛け算的”に発想しやすくなる)。



「仮説をいっぱい出して、そのなかで自分、かつ自分と関わる人が納得できるものを導き出していけるか。他人と“脳をつなぐ”ことで、それをより多様にできるか。正解ではなく、“納得解”を出す情報編集力が、これからの時代に必要な力です」。

また、「根拠のない自信を育てることも重要」だと言い、来たるべき“正解のない社会”へと一歩踏み出す際の大切な心得を、藤原さんは教えてくれました。

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