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渋谷においての多様性の尊重の仕方を改めて考える —「渋谷のリブランディング ~世界の人々を惹きつける町へ~」【SIW2019レポート】

開催: 9.13(金) 渋谷キャスト スペース


「渋谷のリブランディング ~世界の人々を惹きつける町へ~」
2019年9月13日(金)12:30〜14:30
渋谷キャスト スペース
<登壇>
戦略PRプロデューサー 片岡英彦
渋谷区 総務部 人事担当部長 船本 徹
渋谷区 総務部 人財育成担当課長 阿部圭司
渋谷未来デザイン 理事 兼 事務局次長 長田新子
<ファシリテーター>
パーソルキャリア株式会社 荒井雅人


いま、渋谷区では従来の行政の在り方に捉われず、外部からマーケティングの専門家を招くなど、変貌を遂げようとしています。

“多様な未来を考える12日間”「ソーシャルイノベーションウィーク渋谷」(以下、SIW)、3日目。マーケティング・PRの専門家と、渋谷区の「中の人」をも交えて、これからの渋谷はどう在るべきなのか? を主題に考えるセッションが行われました。



片岡さんはまず、渋谷という街の在り方について、
「たとえば宿場町は元来、人が通過していく場所であったのに対して、渋谷は“谷”。いろんな方向から人が集う性格がある。多様な人があらゆる方向から入ってくるのを拒まない、という街としての役割を本来持っているのでは」と指摘。

また、「渋谷の現状と課題」というトークテーマにおいては
「かつては“渋谷らしさ”が分かりやすくあったが、2010年代以降、渋谷にとって象徴的なカルチャーと言えるものが無いようにも思える。それは多様性を尊重してきたから。それは裏を返せばわかりやすいモデルが無い、とも言える。多様性を尊重しながらもなにか、“渋谷らしさ”の方向性が見えるとよりいいと思う」と語ります。

一方、渋谷区の船本さんは、



「渋谷区は『基本構想』に沿って様々な課題解決に取り組んでいる。新庁舎に移転し、ICT基盤もより先進的になったが、職員のマインドのレベルアップが大きな課題。情熱を持って課題解決に取り組んでくれる職員まだ少ない」と話します。

阿部さんは、人材育成の観点から、
「スイミーの絵本のように、職員皆が個性を活かして、強い部分は伸ばし、弱いのところは補い合って、柔軟に変化しながら問題を解決いていくことが大事。
職員にも個性があり、違った能力を持っているので、人材育成も一律に行うのでなく、それぞれの個性を見極めて伸ばすべきところを伸ばしてあげる必要がある」と続けました。



片岡「個性を活かすということでいうと、民間企業で主流になりつつある『コ・ブランディング』もそう。他社とタッグを組んでブランディングすることで違いの長所をそれぞれ活かし、相乗効果を狙うというもの。
渋谷に置き換えて考えれば、同じ渋谷区でも円山町エリアと青山エリアの文化は全然違う。それぞれの特色を意識してブランディングしていくことで、渋谷区全体のブランド力の向上に繋げることができる」



長田「SIWの昨日のトークセッションのなかで『渋谷はけん玉の聖地』と言われていることを知って驚いた。でもそうやっていろんなものの聖地が渋谷であったらいいと思う。それぞれの特色を尊重して、クロスカルチャーで繋がっていくことで、そこからまた新しいカルチャーが生まれていくと思う」


それぞれの立場から多様性、個性をどのように尊重し、向き合うことで、渋谷はより良くなっていくのか。ひとつひとつの見解がリンクしながら、有意義に意見が交わされたセッションとなりました。



ステージ脇では、本園大介さんによる「グラレコ」で、トークの模様がリアルタイムに紙面にまとめられていきました。

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