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好奇心でさまざまな体験を組み合わせ、イノベーターになろう —「SIW 2019 OPENING EVENT」【レポート】

開催: 9.11(水) 渋谷ストリーム ホール


SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2019 OPENING EVENT
2019年9月11日(水)18:00〜
渋谷ストリーム ホール

いよいよ今年もスタートした“多様な未来を考える12日間”「ソーシャルイノベーションウィーク渋谷」(以下、SIW)。
その幕開けに、多くの方々に渋谷ストリームへお集まりいただきました。



まず登壇したのは、SIWのプロデューサーである、金山淳吾、長田新子のふたりと、
教育者であり起業家、また『ビリギャル』の著者としても有名な坪田信貴さん。
そしてもうひとり——長田の手元には小さなロボット「OriHime」。遠隔地からコミュニケーションが可能な“分身ロボット”です。「OriHime」の向こう側にいるのは、脊髄生筋萎縮症を患う永廣柾人さんでした。



そんな4人でのクロストークが始まり、金山が、先日永廣さんが体験した“分身ロボットカフェ(自走するOriHimeを介して障害のある方たちがホールスタッフとして働く期間限定カフェ)”での仕事について尋ねると、永廣さんは
「普段は介護をしてもらって“ありがとう”と言うばかりですが、カフェで働いてお客様から“ありがとう”と言われて社会の役に立っている実感があり楽しかったです」と語りました。

坪田「マサさん(永廣さん)の初めての仕事がロボットのパイロットというのはすごく素敵ですね。社会がより良くなっているのを感じます。これが加速していくといいですね」

金山「障害を持った人たちに働いてもらう、というところがいいですよね。ご本人にとってもきっとそこで学びがあり、次の成長につながっている。マサさんももっといろんな好奇心が芽生えたと思う」

永廣「先日OriHimeにキャタピラをつけてサッカーに挑戦しました。今までスポーツに興味はなかったですが、これからは家にいながらスポーツ選手にもなれるんじゃないかと思っています」



そんな会話から、SIWの大切なキーワード“イノベーション”について、金山はこう語ります。

金山「イノベーションというとあたらしく何かを発明しなきゃとか、ハードルが高く思えるかもしれないけれど、ひらめきによっていろんなものの使い方を変えていくだけでも十分なんです」

坪田「経済学者のシュンペーターという人は、簡単に言うと既存のものの組み合わせによって、あたらしい商品や、あたらしいやり方、あたらしいマーケット、あたらしい素材、あたらしい組織、といったものを生み出していくことを“イノベーション”と定義しました。例えば“電話”と“カメラ”と“インターネット”を組み合わせたものがスマホであったように」



金山「いろんな考え方や活動を知ることから好奇心が起こって、自分でもこれとこれを繋げてみようとコネクターになるだけでイノベイターになれる。そのきっかけにSIWがなれたらいいなと思います」

長田「知らなかったことって、意識するとたくさんあるんですよね。去年のSIWでの体験を通して生まれたアイデアも、個人的にたくさんあります。今年もSIWが、自分が知らなかったことと知っていたことを組み合わせてアイデアを膨らませていける場になったらいいなと思っています。今日は早速、マサさんとのあたらしい出会いがありました」

永廣「僕もOriHimeを通じて、SIWのイベントを回っていろんな体験をしたいと思っています」



——クロストークのあとは、オープニングパフォーマンスとして、演劇、伝統芸能、現代芸能をミックスした先進的なステージをみせる「THE FACTORY」のパフォーマンスが。



続けて、渋谷未来デザイン 代表理事 小泉秀樹さん、渋谷区長 長谷部健さん、渋谷区議会議長 下嶋倫朗さん、株式会社AOI Pro. 北村久美子さん、KDDI株式会社 中馬和彦さん、タレントの若槻千夏さんからご挨拶をいただきました。

なかでも、長谷部健 渋谷区長は、多様性を尊重した街づくりを推進するニューヨーク市を例に挙げながら、
「多様な人が集まるニューヨークでは、自分たちの多様性を尊重する街に対してシティプライドを持っている。渋谷も渋谷らしい多様性を見つけていきたい。あたらしい価値を生み出し続ける街になるために、多様性を盛り上げ、理解を促進する機会にSIWがなってくれたら」と期待を込めました。



そして、会を締めくくったのは、「障害」のネガティブなイメージをポジティブに変換し伝えるブレイクダンス・クルー「ILL-Abilities」のパフォーマンス。



彼らは「True Colors Festival - 超ダイバーシティ芸術祭-」の一貫として、モントリオールからはるばる来日。
「True Colors Festival - 超ダイバーシティ芸術祭-」は、障害・性・世代・言語・国籍などのあらゆる多様性があふれ、皆が支え合う社会を目指すパフォーミングアーツの祭典です。



多様性の魅力を見事に体現した圧巻のステージングで、会場は一気にヒートアップ。これからはじまる12日間の刺激的な日々に向けた高揚と重なり、ポジティブでわくわくした雰囲気のなかオープニング・イベントは終了。
その後、会場では懇親会が開かれ、貴重なネットワーキングの場となりました。

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